・内戦状態のミャンマー、少数派、キリスト教徒たちに苦難の日々続く

 ミャンマーの北西部、チン州のタントランでは、 国軍と反軍事政権武装勢力との3時間の戦いで少なくとも18戸の民家と政府の建物が全焼した。 (写真:AFP)

(2021.9.29カトリック・あい)

 国軍クーデター後、内戦状態が続くミャンマーで、キリスト教徒が多く住むチン、カヤ、カチン、カレン各州の住民が国軍と抵抗勢力の争いに巻き込まれ、死傷者が増え、家を焼かれたり、生命の危険を避けるために、難民状態になる住民も増え続けている。

 No respite for persecuted Christians in conflict-torn Myanmarアジアのカトリック系メディアUCA Newsが28日付けで報じたところによると、人口の9割がバプテスト教会の信徒などキリスト教徒のチン州では、9月18日の国軍の襲撃で、バプテスト教会の牧師を含む数人の民間人が殺され、約8000人(ほとんどがチン族のサントランの町の全人口に相当)が自宅から追い出され、隣接の村や森林に避難、あるいは国境を越えて、インドのミゾラム州に逃げ込んでいる。

 高齢者、女性、子供たちは、国軍による無差別攻撃から逃れるのが精いっぱいで、家財道具などを持ち出す余裕はほとんどなかった。との戦いに巻き込まれ、この地域に多く住む少数派のキリスト教徒の被害が浮き彫りになっている。

 この地域の国軍とこれに抵抗する武装勢力の戦闘は5月以降激しさを増しており、少なくとも1万2000人が国内、国外の難民状態に置かれている。

 教会、仮設の避難所に収容されたり、避難場所を求めて森林をさまよう人々は食糧や医療の援助も十分でなく、援助団体などが手を差し伸べようとしても、国軍が抵抗勢力の侵入を警戒していたるところで道路を封鎖しており、救援物資を届けられずにいる。。

 チン州では、1990年代以降、軍主導のキリスト教徒弾圧が続いて来た。礼拝所を破壊し、仏教への強制改宗など迫害を繰り返し、国際キリスト教人権監視機構の6月の報告によると、迫害から逃れてインド、マレーシア、タイに移ることを余儀なくされた住民は16万人以上に上るという。

 最新の国連報告によると、紛争の激化により、チン、カヤ、カチン、カレン、シャンの各州の主にキリスト教徒が住む地域で20万6000人以上が家を追われ、300万人以上が援助を必要としている。

 同国の人権団体AAPPによると、2月1日のクデター以降、9月28日夕現在で、国軍や警察によって間ヤンマー国内で殺害された人は1139人、逮捕された人は合計8550人、拘留中は6891人で、日々増加中だ。

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2021年9月29日