・ミャンマーのボー枢機卿、死傷者発生に強い怒り、信徒たちに「和解の祈りと断食を」

Catholics march for peace as protests intensify in Myanmar

Catholic nuns holding images of ousted leader Aung San Suu Kyi recite prayers and the rosary during a peaceful protest in Yangon on Feb. 21. (Photo: Good Shepherd Myanmar)

(2021.2.22 カトリック・あい)

 これに対して、同国のカトリック教会のリーダー、チャールズ・ボー枢機卿(ヤンゴン大司教)は21日、四旬節第一主日のミサの説教で、権力、金銭、傲慢さにとらわれ、弱い人々を抑圧する動きについて「権力は崩壊し、その墓は歴史に名を残すことになるでしょう」と批判。

 「今は祈りの時、断食の時、この国のすべての人にとって、回心の時です」と述べ、国民全員に平和と繁栄が戻るように、和解のための祈りと断食を信徒たちに呼びかけた。

 枢機卿が会長を務めるミャンマー・カトリック司教協議会もこの日、声明を出し、「悲しく衝撃的な出来事が私たちの国に大きな悲しみをもたらしている」とし、軍当局に抗議運動参加者の逮捕・拘束を直ちにやめるとともに、当事者たちによる対話を早急に開始するよう訴えた。

 また、抗議行動の最初の犠牲者となった20歳の女性の葬式は21日にネピドーで行われたが、声明は「路上で若者が死ぬという悲痛な光景は、国の良心を傷つけた」と哀悼の意を示すとともに、「この地を、兄弟の血に浸してはならない。子供を葬る親の悲しみは止めねばならない。母親の涙はどの国にとっても決して祝福ではない」と訴えた。

 声明は、ミャンマーは新型コロナウイルスの世界的大感染に抗して昨年11月に民主政権下における初の総選挙を行い、その結果発足した新政権の下で、堅固な平和と民主主義の建設が誓われたばかりだった、とし、「今、世界は私たちと一緒に泣き、この国の分断化に強く失望している。私たちの若者には、より良い国に住む権利がある」と強調。すべての理解関係者に対して、対話を再開し、和解に全エネルギーを集中させるように求めるとともに、拘束されている民主指導者たちの釈放にまず手を付けるように要請した。

 UCANEWSによると、カトリックの司祭、修道女、神学生、そして一般信徒たちが、1日の軍事クーデター以来、平和回復を祈る街頭行進をカトリック人口の多いカヤ州など展開していたが、20日に2人が犠牲となったマンダレー市で数百人が街頭で祈りとロザリオを唱え、21日には同国最大の都市ヤンゴンで1000人近い若者を主体とするカトリック信者が街頭行進を行った。

 

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2021年2月22日