・チェノットゥ駐日バチカン大使が帰天・菊地大司教が祈りと追悼文

(2020.9.12 カトリック・あい)

 駐日教皇大使ジョセフ・チェノットゥ大司教が8日未明、小脳梗塞による大孔ヘルニアのため入院先の聖母病院において帰天された。享年76歳。

 チェノットNuncioishinomakiゥ大司教は1943年にインド・ケララ州のコカマンガラムに生まれ、1969年 に司祭叙階。駐中央アフリカ共和国およびチャド教皇大使を経て、1999年に司教叙階。タンザニア連合共和国教皇大使の後、2011年秋に駐日教皇大使として着任された。

 昨年11月の教皇フランシスコの訪日行事の一連を無事に終えられ、故郷への里帰りを楽しみにしておられたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で帰国がかなわない中、5月8日に居室にて倒れられ、闘病中だった。

 日本での追悼行事等は現段階では未定。

 

・チェノットゥ大司教の死を悼む 菊地・東京大司教

 9月8日に駐日教皇大使ジョゼフ・チェノットゥ大司教様が帰天されました。76歳でした。大使は、すでに昨年役職の定年を過ぎておられましたが、教皇訪日の準備にあたるために延長されておられ、2011年10月に来日されてからほぼ9年という、長い在任となりました。

 教皇訪日の準備には心身共に疲れられたことと思いますが、年明けには楽しみにしておられた休暇での故郷インド訪問も、新型コロナ感染症のためにNuncio2020as取りやめとなり、東京の大使館で自粛生活が続いておりました。その中、5月8日早朝に自室で倒れられ、駿河台日大病院で緊急手術を受けられました。脳梗塞と聞いていますが、倒れたときにさまざまな損傷を受けた模様で、複雑な手術が数回続きました。

 残念ながら、現在の感染症の状況の中、面会は大使館関係者に限定されておりました。その後、意思の疎通も可能になってきたことから、8月初めに聖母病院へ転院。なんとか車椅子でもインドへ帰ることが出来るように、と懸命な闘病生活が続きました。故郷のインドの親戚の方も来日することも出来ず、最後はオンラインでなんとか見舞いが出来た、とうかがいました。

 葬儀はインドの故郷で行われますが、その前に日本でも追悼ミサを行う予定で調整中です。なにぶん現役の外国大使の帰天ですので、日本政府も関わる調整となります。日時については決定次第、大使館から公表されるものと思います。またこういった状況ですから、多くの方にはご参列いただけませんので、インターネット中継も行われる予定です。

 大使は、2011年来日直後、仙台で開催されていた日本と韓国の司教団の集いに出席され、一緒に石巻を訪問されました。その時から今に至るまで、東北の復興には常に思いを寄せてくださいましたし、それを教皇様にもしばしば伝えてくださいました。そういった配慮が、昨年の教皇訪日にあって、教皇様ご自身から「東日本大震災の被災者との集いを行いたい」というリクエストとなりました。

 また教皇大使の重要な役割の一つが、司教選任手続きにありますが、チェノットゥ大使の最初の選任手続きは札幌の勝谷司教でした。ちょうどその時、私が札幌教区の使徒座管理者を兼任していましたので、何度も何度も、丁寧なやりとりを重ねたことを覚えています。

 チェノットゥ大司教の長年の教会への貢献と信仰の証しに、御父が豊かに報いてくださいますように。

このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年9月12日