(2021.8.16 Vatican News Nathan Morley)
アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンが15日、首都カブールを制圧し、全土掌握を宣言したが、国民の間に深刻な不安と混乱が広がっている。(写真は閉鎖されたカブール国際空港の壁を乗り越えようとする人々=ANSA)
20年続いた親米政権が崩壊し、ガニ大統領は国外に逃亡、頼るべきものを失った人々が、競って国外に脱出しようと、カブールの国際空港に押し寄せたものの、空港は事実上閉鎖され、民間航空会社の運航もほぼ停止。脱出に遅れた外国人と共に、立ち往生の状態だ。空港での混乱の中で、数人が死亡したとも報じられている。
アフガンに大使館や企業の支店、工場などを置いている60か国以上の政府が、タリバンに対して、国外への安全な退去を保証するようもとめる共同声明を出し、教皇フランシスコも15日正午の祈りの中で、アフガン情勢について強い懸念を表明、武力抗争の停止と対話による事態の収拾、そして何よりも、高齢者や子供たちを含む全国民が平和で安全な生活をおくれるようにすることを、関係者や国際社会に強く訴えた。
そうした中で、中国とロシアは、大使館を閉鎖しない、と言明。特に中国は、「アフガニスタンの内政に干渉しない」ことを確認し、タリバンを事実上、認める方針だ。
(翻訳・編集「カトリック・あい」)