・「アフガンの人々を見捨てるな」教皇とイスラム教指導者が共同設立の委員会が声明

(2021.8.20 Vatican News staff reporter)

 教皇フランシスコとイスラム教指導者の一人、アルアズハルのグランドイマーム、シェイク・アAfghans arrive at the Pakistan-Afghanistan border crossing at Chaman.ハメド・エルタエブ師が共同で設立した「Higher Committee of Human Fraternity(人類の友愛・高等委員会)」が20日、声明を発表、人類の友愛と寛容の立場から、アフガにスタンで深刻化する人道的危機に「深い懸念」も表明するとともに、「アフガニスタンが平和共存を受け入れる時だ」と訴えた。

 声明は、アフガニスタンの現状を「非常な懸念をもって注目している」と述べ、「国際社会は、アフガニスタンの人々に対する人道的責任を放棄してはならない」とし、特にアフガニスタンの女性たちの人権を守る必要を強調。同時に、「アフガニスタンの人々の民族的、言語的、宗教的多様性を尊重し、その多様な集団の主体性を軽視せず、すべての人々の平等を確保する」よう、関係者たちに求めた。

 そして、「アフガニスタンで続いて来た何十年にもわたる戦闘、紛争、流血に終止符を打つために、協力するように」と、関係国、組織、指導者たち、国際社会に呼びかけ、「今は、アフガニスタンが平和共存を受け入れ、すべての人々の間で人類の友愛と寛容の原則を守る時だ 」と訴えた。

 Higher Committee of Human Fraternityは2019年に教皇フランシスコがアラブ首長国連邦(UAE)を訪問した際、アルアズハルのグランドイマーム、シェイク・アハメド・エルタエブ師と「Document on Human Fraternity for World Peace and Living Together(世界平和と共生のための人類の友愛に関する文書)」と共同署名し、同文書を基に同年発足した。文書の主旨に共鳴する世界中の宗教、教育、文化の指導者がメンバーとなっている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2021年8月21日