
ミャンマーでは、キリスト教徒たちが、軍事政権と民族反政府勢力との間の戦闘激化の中で、控えめなクリスマスを余儀なくされている。カチン州、カヤー州、チン州、カレン州では、カトリック教徒が戦争で避難した数十万の人々との連帯を示すために”沈黙のクリスマス”を祝った。
ミヤンマー軍が2021年2月2日、民主的に選出されたアウン・サン・スー・チー氏の政権を倒して以来、3年近くも政権を掌握しており、抵抗勢力を鎮圧するために残忍な行動をとり続けている。
クーデター以来、カチン州、カヤー州、チン州、カレン州などに多数生活していたキリスト教は、クリスマスと新年を祝うことができないままだ。
*少なくとも260万人が”国内難民”に
解放軍、アラカン軍、ミャンマー民族民主同盟軍という3つの民族武装集団が結集した三兄弟同盟(3BHA)は、北部シャン州全域で、国軍に対する大規模な攻撃を開始しているが、過去2か月間でさらに激化し、 戦闘は現在、カヤー州、チン州、カチン州などミャンマーの他の地域にも広がっている。
国連によると、戦闘が激化した10月27日以来、66万人以上の一般住民が家を追われ、国内難民の総数は約260万人に上っている。
*各地のカトリック教会、信徒たちに深刻な被害
ミャンマーにはカトリックの教区が16あるが、そのうちロイコー、ペホン、マンダレーを含む12教区が、戦闘の影響を受けている。
11月、ロイコー教区長のセルソ・バ・シュエ司教によると、軍が、「王たるキリスト」の大聖堂と関連施設を襲撃、占拠し、司教は司祭や修道女たちと追い出された。教区内の教会の半数でも、信徒たちが司祭と安全な場所と思われるところに避難している、という。 シュエ司教はクリスマスメッセージで、教区の信徒たちを励まし、「神を信頼して神の御心に従い、互いを励まし合うように」促した。 シャン州ラシオ教区でも、教会や修道院が被害を受けている。
*ロヒンギャ危機などで100万人が難民キャンプで悲惨な生活
2016年と2017年に国軍が実施したいわゆる「掃討作戦」でラカイン州の家を追われたロヒンギャの人々、数十万人は、難民となったまま、苦難の日々を過ごしている。ほとんどは隣国バングラデシュに避難しており、そこでは他地域から避難してきた人も含めて約100万人が難民キャンプで悲惨な状況で暮らしている。危険を冒して他のアジア諸国へ行こうとする人もいるが、マレーシア、タイ、そして現在はインドネシアで受け入れを拒否されている。