・「司教任命に関する中国との暫定合意は期待通りにいっていない」とバチカン外務局長、EWTNとの会見で

Archbishop Paul Richard Gallagher

(2023.3.16 カトリック・あい)

 バチカン国務省のポール・ギャラガー外務局長(大司教)がこのほど、カトリックの国際テレビ・ラジオネットワーク、EWTNのインタビューに応じ、中国との間で2018年秋に結んだ同国内での司教任命に関する暫定合意について、当初期待されていたような結果が得られていないことを認め、”改善”について中国外務省と交渉していることを明らかにした。

 ギャラガー外務局長は、この暫定合意がされたのは好ましい時期ではなかった、とし、中国共産党が、カトリック教会共同体、いわゆる”地下教会”に圧力をかけるために利用したことを認めつつ、「(良い結果が得られるように)前進するしかない」と述べた。

 また、この暫定合意は、「その内容のほとんどは、ベネディクト16世教皇の時代に、バチカンと中国当局の間で了解されていた」とし、バチカンの外交官たちは、バチカンと中国当局が長年にわたってお互いに「より深い理解とより深い敬意」を持って関係を育てて来たと信じていると語る一方、「明らかに(中国側の対応)すべてが、中国の国内政治の文脈で行われている …したがって、私たちが出来ることは限られている」と付け加えた。

 ギャラガー外務局長は、EWTN とのインタビューで、「現在、他の司教の任命について交渉が進めらている」ことを認め、バチカンとして、今後も対話を続ける意思があると述べた。また、中国との関係を「数か月、あるいは数年単位ではなく、もっと長い時間の中で考えており、今後、より正常で、実りあるものに願っている。私たちは、善良なカトリック教徒は中国の善良な市民になり得る、と信じるところから出発している」と語った。

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2023年3月16日