・シノドス、最終文書で「性的虐待」「女性」「聴く」どう扱うか、「欧米中心」に懸念も(Crux)

(2018.10.24 Crux Senior Correspondent Elise Harris

 ローマ発-「若者シノドス」は最終週に入り、最終文書のとりまとめの協議に入った。協議での争点は、教会内外から強い関心を持たれているテーマについてどのように扱うか、若者たちの日常生活にどのように適合させていくか、に絞られているようだ。

 これまでの討議では、すでに明らかにされている言語別グループの討議結果に多かれ少なかれ沿ったものになるように見られている。そして、このシノドス前に出された討議要領に倣って、「見て、判断し、行動する」という形式をとることになりそうだ。

 最終文書に盛り込まれる大きなテーマとしては、聖職者による未成年性的虐待が引き起こしている教会の危機、女性の役割を高める必要性、若者たちへの寄り添い、そして、若者たちの声を聴く必要性、などがある。

 性的虐待による危機は、今回のシノドスを通してずっと扱われ続けた大きな問題の一つであり、会議では、いくつかの言及のされ方に対して熱烈に支持する声が上がっていた。最終文書作成に関係する筋がCruxに語ったところによれば、最終文書では、性的虐待を「罪」であり「犯罪」であるとし、関係者の説明責任にも触れ、性的虐待問題が表面化した際の対応に教会が時として失敗してきたことにも言及する、という。

 ただし、最終文書では、性的虐待の訴え受けた司教や他の高位聖職者たちに説明責任ーそれが、この問題に関して性的虐待の被害者と再発防止のための制度改革を求める人々の強い要求だったのだが-を課す具体的な方法の提示には踏み込まない、という。

 「聖職者主義」は、「説明責任の欠如」とともに、性的虐待が危機を引き起こしている大きな原因とされ、教皇フランシスコも“zero tolerance(不正に対して容赦しない)”政策を強化すべきことを強く主張していたが、シノドス関係者によると、最終文書に盛り込むべき表現しついて、主張が分かれており、アジア・アフリカの司教たちの中に「自分たちの地域では、欧米のような大きな問題になっていないので、抑え目の表現にしてもらいたい」とする異見もある。

 言語別グループの小会議での議論でも、若者たちの抱える課題と、いかに対応すべきかについて、事前の討議要綱は欧米に焦点が当たりすぎ、「欧州中心主義」になっていると、懸念する声が出ていた。少なくとも、幾人かの高位聖職者は現在も、そうした認識をもち、「それ以外の意見」が除かれるのではないか、と心配している。

 最終文書草案ではまた、同性愛、ジェンダー、LGBT(性的マイノリティ)の共同体への対応-もともとの草案にはLGBTという言葉自体はつかわれていないが-についても触れられている。

 女性とその教会での役割、とくに政策決定への女性の参加を高めることについては、シノドスの議論の重要な点となっており、最終文書でも重視されることになるとみられる。関係筋がCruxに明らかにしたところでは、最終文書草案では女性の教会活動への寄与、とくに母親の寄与については、十分に評価されていない、という。

 今回のシノドスには35人の若者が参加し、若者に対する積極的な姿勢を示したものとして高く評価されていたが、参加者の中にはCruxに対して、最終文書草案には、若者の司牧について、司教はじめ教会の指導者たちがとるべき実践的な対応に言及されていない、と指摘する向きもある。

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 最終文書の決定方法について、すでに発表されている進め方は、シノドス最終日前日の27日午後に、出席した司教たちが原案のパラグラフごとの採決に参加し、3分の2の賛成票を得て、決定する、としている。今年決められた新たな方式に基づき、最終文書は教皇フランシスコによる承認を経て、カトリック教会の通常の教導権の指針となる。

 

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2018年10月25日