教皇フランシスコとベトナムのヴォー・ヴァン・トゥオン国家主席 2023年7月27日 バチカン宮殿 (Vatican Media)
(2023.7.27 バチカン放送)
教皇フランシスコが27日、ベトナムのヴォー・ヴァン・トゥオン国家主席とお会いになった。トゥオン主席のバチカン訪問を機に、駐ベトナム・バチカン代表と駐在事務所の設置に関する取り決めを結んだ。
取り決めは、ベトナムとバチカンの3月31日の第10回合同会議の成果をふまえ、両国関係の発展継続を願ったもので、トゥオン主席は教皇と会見の後、ピエトロ・パロリン国務長官と会談し、両国関係の大きな進展と、ベトナムにおけるカトリック共同体のこれまでの貢献に、双方から大きな満足が示された。
また、ベトナム駐在のバチカン代表が合意によって与えられた役割を果たし、同国のカトリック信者たちが法令を遵守し、教会の教えに基づきながら「国家と共に歩む」という召命を実現し、「良きカトリック信者、良き市民」として国の発展に寄与できるよう支えることについて、互いの信頼を表明。ベトナム駐在のバチカン代表が、ベトナムとの関係を発展させるための橋となることが期待された。
ベトナムとバチカンの外交関係は、1975年に中断したが、1990年以降、関係改善のきざしが見られ、ベネディクト16世が2011年に、同国に駐在しない形でのバチカンの代表を任命した。今回、同国駐在の代表と事務所に関する取り決めが結ばれた。
パロリン国務長官は27日、バチカンの記者団に対して、今回のベトナム駐在のバチカン代表と事務所設置は、「”ゴール”ではなく、新たなスタート」であることを強調し、次のように語った。。
「今回の取り決めに至った歩みの本質的要素は、次の2つの言葉に要約できます-教皇ヨハネ23世の『互いに尊敬し合うために、互いを知る』という言葉と、教皇フランシスコの『プロセスを開始し、それを妨げない』という言葉です。ベトナム政府との関係の開始は、バチカンの正義と平和評議会議長、ロジェ・エチェガライ枢機卿(当時)がベトナムを公式訪問した1989年にさかのぼります。教皇ヨハネ・パウロ2世の考えは、教会の教えの特徴であると同時に教会が日々証しする『正義と平和』を通して、対話の道を切り開くことにありました。バチカン使節のベトナム訪問が毎年行われるようになり、その目的は「政府との接触を保つこと」「ベトナムの諸教区の共同体と出会うこと」の二つでした。そして1996年に、司教任命に関する方法を明確にするための会談が始まりました。バチカンの外務局次官としてこれらの訪問に携わった私にとって、素晴らしい思い出です。
2009年12月に、ベトナムのグエン・ミン・チエット国家主席がベネディクト16世と会見するためバチカンを訪れ、これを機会にベトナムとバチカンの共同作業グループが形成されました。その共同作業の成果として、バチカンのベトナム担当代表をシンガポールに置くという形で、非駐在のバチカン代表の設置が決まり、2011年1月13日、代表としてレオポルド・ジレッリ大司教が任命されました。
強調したいのは、これらの研究や作業を進める双方担当者に、互いの尊重と前進への意志が共有されていた、ということです。自分たちの立場を率直に述べ、相手の立場とその主張に、誠意をもって対応して来ました。そして、これからのバチカンとベトナムの関係については、何か別の目的を果たすために無理をしたり、急いだりせず、より良い結果を得るために話し合う姿勢を保ち、共に進み、歩み続けるように、希望します。今回の合意は単なる一つのゴールではなく、互いの尊重と信頼のうちに、新たなスタートを切ろうとするものです」
(編集「カトリック・あい」)