・教皇、歴史的なイラク訪問を開始、バグダッドで政治、宗教指導者たちと会見

バグダッドに到着、カディミ・イラク首相に迎えられた教皇フランシスコ 2021年3月5日バグダッドに到着、カディミ・イラク首相に迎えられた教皇フランシスコ 2021年3月5日 

 教皇フランシスコがイタリア現地時間5日朝、一昨年秋の日本、タイ訪問以来となる第33回目の海外司牧訪問となるイラクに向けてローマを発たれ、現地時間同日午後、首都バグダッドの国際空港に到着され、ローマ教皇として初めてイラクの地を踏まれた。

 空港で、子どもたちから花束を受け取られた教皇は、迎えに出たカディミ首相と並び、儀仗兵に見守られながら、長い絨毯の上を進まれた。

 空港内で、民族衣装の人々の合唱、伝統音楽の演奏、舞踏による温かい出迎えを受けられ、空港内のホールでカディミ首相と短い会見を行われた後、バグダッド市内の大統領官邸へと向かわれた。沿道には、厳しい警備の中にも、教皇を歓迎しイラクとバチカンの旗を振る市民たちの姿が見られた。

 大統領官邸で大統領を表敬された後、この国の指導的立場にある人々や外交団との会見、さらに、東方典礼のシロ・カトリック教会のOur Lady of Salvation大聖堂で司教、司祭、修道者、神学生、カテキスタたちと会見された。

 6日は、同国イスラム教シーア派の聖地、中部ナジャフで最高権威アリ・シスタニ師と会談する。旧約聖書に登場する預言者アブラハム生誕の地、南部ウルも訪れ、夕刻にバグダッドに戻り、聖ヨゼフ教会でミサを捧げられる。

 7日は、北部のアルビルでクルド自治区の政治、宗教関係代表と会見。イスラム過激派組織「イスラム国」との激戦地だったモスルを訪れ、戦争などで迫害を受け続けてきたキリスト教徒らを慰問。カラコシュで教会で共同体と会見の後、アルビルのFranso Haririスタジアムでミサを予定。8日朝、バクダッドから帰国される。

(編集・カトリック・あい)

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2021年3月5日