・教皇、31日にローマの聖マリア大聖堂でウクライナなど世界の平和を願うロザリオの祈り

(2022.5.26 Vatican News  Deborah Castellano Lubov)

 5月・ロザリオの月の最終日、31日に教皇フランシスコがローマのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂で、ウクライナはじめ世界中の戦争で苦しむ人々のために平和を願うロザリオの祈りを、世界の信徒と共に捧げることになった。Ave Regina Pacis statue at Basilica di Santa Maria Maggiore

 バチカンの新福音化推進評議会が26日に発表したもので、教皇は、ローマ時間の31日午後6時(日本時間6月1日午前1時)から、同大聖堂の「Maria Regina Pacis(平和の元后)」の聖母マリア像(写真)の前で、ロザリオの祈りを唱えられる。

 同評議会は声明で、「聖母マリアの月の終わりに、教皇フランシスコは、現在も続いているウクライナでの戦争、そして他の多くの暴力行為で深く傷ついた世界に希望のしるしをもたらすことを希望しておられます」とし、世界のすべての信徒に対して、教皇と祈りを共にするよう呼びかけた。

 同大聖堂の聖母マリア像には、特別な歴史がある。教皇ベネディクトゥス十世が1918年、第一次世界大戦の終結を聖母マリアに願うために、バチカン美術館の副所長だった彫刻家のグイド・ガリに制作を依頼した。

 聖母マリアは、 戦争の終結を命じるしるしとして、左手を上げ、平和を象徴するオリープの枝を落とす用意をしている幼子イエスを右手に抱いている。 土台には花が彫られており、平和の復活とともに生命の開花を象徴している。

 31日に、教皇はこの像の前で、聖母に祈りを捧げ、慣習に従って、像の元に特別の意向を書き記した小片を置く前に、花輪を捧げる予定だ。

 この祈りには、教皇と共に、 ここ数週間に初聖体と堅信を受けた子どもたち、スカウトの子供たち、ローマ在住のウクライナ出身の家族、Marian Ardent Youth (GAM)の代表、バチカン警察とスイス衛兵、そして、平和の元・乙女マリアの名にちなんだローマの三つの小教区、教皇庁からも代表が参加する。

  また、戦争の悲劇を経験しているウクライナ人の家族、戦争犠牲者と関係のある人々、犠牲となった部隊の従軍司祭が、ロザリオを一連ずつ唱えることになっている。

 31日のロザリオの祈りは、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂と世界のinternational shrineをインターネットで結ぶ、動画配信の形で行われ、現在の戦争、紛争に直接かかわりを持つウクライナの神の母聖堂、イラクのSayidat al-Najat (救いの聖母)大聖堂、シリアの平和の聖母大聖堂、バーレーンのMary Queen of Arabia大聖堂をはじめ、平和と良い航海の聖母聖堂(フィリピン)、救い主と母マリアの国際聖堂(ナイジェリア)、Shrine of Jasna Góra(ポーランド)、韓国の殉教者の国際聖堂(韓国)、ロレートの聖なる家(イタリア)、International Shrine Our Lady of Knock(アイルランド)、グアダルーペの聖母聖堂(メキシコ)、ルルドの聖母聖堂(フランス)なども参加の予定だ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2022年5月26日