・教皇、31日から9月4日までロシア、中国と国境を隔てるモンゴルを訪問

The Sukhbaatar Statue in UlaanbaatarThe Sukhbaatar Statue in Ulaanbaatar 

    教皇フランシスコは8月31日から9月4日にかけて、歴代教皇として初のモンゴル訪問をなさる。

 29日の定例会見で、バチカンのマッテオ・ブルーニ報道局長は、今回の訪問は教皇フランシスコにとって61か国目、43回目の海外訪問となり、訪問中に、この国の約1500人のカトリック教徒に向けて語ることを中心課題としている、と説明。

 「人類の活動の分野で重要な貢献をしているこの美しい国で、彼らに励ましと希望の言葉をかける予定だ」と述べた。

 モンゴルは東と南の二方向を中国、北をロシアとそれぞれ接する内陸国で、ロシアによるウクライナ軍事侵攻が長期化しつつある今、地政学的にも重要な位置にある。教皇は実質3日間の訪問中の講話の少なくとも一つで、このことに言及する可能性が高い。

  モンゴルの教会の歴史は、モンゴル帝国が中国の一部にまで及んでいた時代、最初の司教が任命された 4 世紀初頭に遡る。 その後何世紀にもわたって、この地域におけるキリスト教徒は減り続け、共産主義独裁時代には完全に消滅した。

 1992年に、教会は活動を再開し、以来30年間、宣教師たち、特にイタリアの宣教修道会、Missionaries of the Consolataの宣教師たちの働きによって、活発になっている。そして、教皇は昨年、 同国の枢機卿として、ジョルジョ・マレンゴ・ウランバートル使徒座知牧区司教を任命されている。

 今回の訪問で、教皇は9月3日に首都ウランバートルの Steppe Arenaでミサを主宰され、首都に大部分が住むモンゴルの信者をはじめ、ロシア、中国、タイ、カザフスタン、キルギス、アゼルバイジャン、ベトナムなど近隣諸国からも約1,000人の信者が参加する予定だ。

 また6日の日曜日には、 Hun Theatreで、民族宗教や神道、仏教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンズー教など様々な宗教の代表者との集いに出席されるが、ブルーニ報道局長は「 このイベントは、数十年にわたってモンゴル国民の特徴となってきた平和共存への使命の表れになる」と強調した。会合には、政府や大学の代表も出席する予定だ。

 報道局長はまた、教皇が、仏陀の10番目の生まれ変わりとされる子供を含むチベット仏教の代表者たちと会見することや、ミサ後にロシアと中国のキリスト教徒と個人的に会見する可能性について、「現時点では、教皇は私的な会見は予定されていない。諸宗教との集いには、モンゴルの多数派宗教である仏教徒を含むすべての宗教団体が参加する」と説明。 教皇が隣国中国の問題に言及する可能性についての記者団の質問に対して、 「教皇が27日の正午の祈りの最後に語られたように、今回の訪問を、幸せと大きな敬意を持って待望されている。現地で多くの人々に会いたいと強く願っておられるが、それ以上のことは申し上げられない」と語った。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年8月30日