・一連の祈りの冊子発行とともに、教皇が「祈りの学校」を開設ー「祈りの年」で福音宣教省長官が会見

Pope Francis holds his hands in prayer at a weekly General AudiencePope Francis holds his hands in prayer at a weekly General Audience  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

 その一方で、副長官は、祈りの年は「特別な取り組みが行われる年ではなく、祈りの価値とキリスト教生活における毎日の祈りの必要性を再発見する機会」であり、「現在のデジタル文化の時代に、祈りが効果的で実りあるものとなるように、祈り方、そして人々に祈りを教える方法を発見する機会」と説明。

 「現代において霊性を深める必要が明確になっている。いつも十字架のしるしをする人から日々の聖体祭儀に参加する人まで、さまざまな人がおり、祈り方も、素早い祈りから、落ち着かない祈り、痛みの涙で満たされた祈り、そして瞑想的な祈りまで多岐にわたります」と指摘。「祈りはあらかじめ確立されたパターンでとらえることはできません。それは、私たちの信仰を特徴づける親密で排他的な、信者と神ご自身との個人的な関係の現れだからです」と述べた。

 また副長官は、 祈り年は、「主との関係を育む方法として、真の精神的な休息の瞬間を提供するもの。祈りは、日々のストレスから守るオアシス、そこで祈りは、キリスト教徒の信仰、希望、慈愛の生活の栄養」であり、それを助けるために、福音宣教省は、個々の信者や共同体が使うことのできる、一連の資料を準備してきた、と説明。

 一連の資料に先立って、副長官はまず、教皇が2020年5月6日から2021年6月16日にかけてなさった水曜の一般謁見での38回の連続講話の再読を勧めた。

 そして、福音宣教省が準備している一連の資料について、ベル次官が「Notes on Prayer」という共通のタイトルで8冊のシリーズの出版、配布を計画しており、23日にその第一冊として、前バチカン市国総代理のアンジェロ・コマストリ枢機卿執筆の”Praying Today. A Challenge to Be Overcome”がバチカン出版から発行。「リジューの聖テレジア、アッシジの聖フランシスコ、カルカッタのマザー・テレサなど、祈りの実りを証しした人物に焦点を当てることで、祈りの必要性と、『異なる視線と異なる心』を持つための教えを思い起させるものとなっている」という。

 この冊子に続く発行予定は、Gianfranco Ravasi” Praying with the Psalms ”(2月)、 Juan López Vergara” The Prayer of Jesus” (同2月)、 Paul Murray” OP, Praying with Saints and Sinners” (3月)、 Antonio Pitta” Parables on Prayer” (3月)、 Carthusian Monks” The Church in Prayer” (3月)、 Catherine Aubin” The Prayer of Mary and the Saints” (4月)、 Ugo Vanni” The Prayer Jesus Taught Us: The ‘Our Father’” (4月)となっている。

 これら8つの冊子の発行に合わせて、福音宣教省は、教会共同体、家庭、司祭、修道院、若者向けに、さまざまな祈りの助けとなる材料を準備する計画だ。

 

 また副長官は、教皇ご自身が年内に「祈りの学校」を設立されること明らかにし、その役割として、「共に祈り、様々な祈りの形―感謝から執り成し、感想から慰め、崇敬から嘆願まで―をより良く理解するための、特定の人々の集団との出会いの一連の機会となるだろう」と説明。

 最後に、教皇の次の言葉を引用して、会見を締めくくった。「司教、司祭、助祭、そしてカテキスタは、今の困難な時に『2025年の聖年が響き渡らせる希望の宣言の中心に、祈りを置く適切な方法』を見つけるに違いないと確信している」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2024年1月24日