・「中国との暫定合意」は2年延長で更新、中国側の合意厳守を暗に期待ーバチカン国務長官

(2020.10.2 カトリック・あい)

 バチカンと中国の司教選任に関する暫定合意の扱いについて、バチカンのパロリン国務長官が、すでに現行の内容のまま2年延長することを中国側に提示していることが明らかになった。米国のカトリック系有力インターネット・ニュースCRUXが2日付けで伝えた。

 パロリン長官は1日、バチカンを訪れた米国のポンぺオ国務長官と45分にわたって会談し、対中国政策などについて双方の意見を交換したものの、双方の見解が一致することはなかった。

 CRUXによると、パロリン長官は記者団に対し、中国国内での人権抑圧などを根拠に暫定合意の更新に反対する米国の強硬な姿勢には明確な理由があると信じており、「ポンぺオ長官もまた、バチカンがこの問題に対処するやり方について理解してくれたと信じている」とし、「私たち(米国とバチカン)は皆、信教の自由と教会が正常な活動が確保する目標に向かって模索を続けている… (米国とバチカンが)違うのは、その目標を達成するための方法だ」と語った。

 そして、パロリン長官は、バチカンは中国との暫定合意が今月で期限切れとなることを確認したうえで、バチカンは中国側に「ad experimentum(注:正式な合意に移行する前の試験的取り決め)期間の2年追加」を” request(依頼)”している、と述べた。

 さらに「ad experimentumである限り、その内容は秘密とされる」と述べ、具体的な取り決めをこれまで通り公開しない方針を示した。そして、「今後二年間、これは” the request”であり、これまでされてきた通り、継続すべきものだ。私たちが希望するのは、これまで以上にうまく機能し、司教が空席になっている教区に司教が任命されることだ」と語り、中国側が暫定合意を厳守し、内容通り実行することに、暗に期待を表明した。

 

 

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2020年10月2日