(2021.4.30 Vatican News)
教皇フランシスコが30日、バチカン市国の司法制度を変更する自発教令を発出された。
カトリック教会の枢機卿と司教はこれまで、「バチカン市国の司法命令に関する」法律の第24条によって、枢機卿が長官を務める最高裁判所以外では裁かれない、と定められていたが、この自発教令は同条を廃止し、教皇の承認を受けた案件は一般の司祭などと同様に控訴院で裁くことが可能にするものだ。
この自発教令の発出に当たって教皇は次のように言明された。「カトリック教会のすべての成員の平等、平等の尊厳と地位を確かなものとするために、法律の適切な見直しによって、裁判手続きの仕組みを改める取り組みは、最優先すべき課題。後戻りするようなことは、特権として認められず、成員一人ひとりが教会に対して持つ責任に合致しない」。
新自発教令の実施によって、通常の犯罪(教会法をもとに裁かれる犯罪を除く)に関しては、枢機卿や司教も、原則として一般の信徒などと同様の扱いを受け、平等にまず、控訴院で裁かれることになる。また、今回の自発教令で、司法命令に関する6条に、「最高位の枢機卿および最高位の司教たちが関与する案件においては、教皇の事前の同意を得る」との内容が追加される。ただし、枢機卿と司教が裁かれる前に、教皇の承認が必要、との規定に変更はない。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)