(2022.7.27 バチカン放送)
カナダ訪問中の教皇フランシスコは26日、エドモントンから西方72kmの湖、ラック・サンタンヌ(聖アンナ湖)へ巡礼に参加され、現地で御言葉の祭儀を行われた。
この湖は、古くから先住民たちから癒しの場とされ、「神の湖」「霊の湖」と呼ばれていたが、1842年にアルバータに宣教師として初めて定住したティボー神父がラック・サンタンヌと名付けた。オブレート会の宣教師たちが教会を建て、1889年に最初の巡礼が始まり、以来、毎年7月26日、おとめマリアの母でイエスの祖母、聖アンナの祝日の週に巡礼が行われ、北米で最も重要な巡礼の一つとなっている。
この日、教皇は、湖近くの教会から数人の先住民たちに伴われて、湖畔に車椅子で向かわれ、途中の緑地公園で多くの巡礼者たちの歓迎を受けた。教皇は湖畔でしばらく祈られた後、ガラスの鉢に入れられた湖の水を祝別、この水で巡礼者たちを祝福された。
続いて、緑地帯に設けられた集会所で、巡礼者らと共に御言葉の祭儀を行われ、「すべての人が、魂と体の医者であるイエスの癒しを必要としています」と語られ、特に「先住民の兄弟姉妹が受けた暴力のトラウマ」と「植民地主義がもたらした恐ろしい結果」、「多くの家族の消し難い苦しみ」からの、癒しを神に祈り求められた。
そして、「これらの傷の癒しには、私たちの具体的な努力が必要ですが、それだけでは十分ではありません」とされ、主の助けを願い、イエスの母聖マリアと、祖母聖アンナの取次ぎを熱心に祈られた。
(編集「カトリック・あい」)