・コロナ緊急事態宣言を受けた日本の教会、教区により対応に差

(2021.1.15 カトリック・あい)

 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中で、政府は13日までに東京、大阪など1都2府8県に緊急事態宣言を出した。これに対して日本のカトリック教会もミサなど典礼の規制を強化しているが、公開ミサについては、緊急事態宣言が出された都道府県を管轄する教区によって、教区長判断で、厳重に感染防止策をとったうえで、条件付き継続、教区内一律中止、地域に限定して中止など対応が分かれている。

 コロナ対応については、カトリック司教協議会が昨年11月1日付けで、ミサ典礼や教会活動に関するガイドラインを出している。それによれば、「国内において感染症の感染が拡大し、行政による緊急事態宣言や営業・移動の自粛要請が出された段階では、会衆が参加するミサの中止」を原則としつつ、ガイドラインを機械的に適用するのでなく、「教区・地区・小教区の地域性や状況を考慮し、適応させる」こと、としていた。

 15日現在で、政府の緊急事態宣言を受けた対応を、1都2府8県を管内に持つ教区の教区長名で、公開ミサの判断について、インターネットで教区内の教会、信徒に通知している情報をもとにまとめると、以下のようになる。

 *東京教区(東京都、千葉県)=聖堂内で、前後左右に最低でも1㍍の距離を保つことが出来ない場合、ミサ中に充分な換気が出来ない場合、感染対策に対応するための奉仕者を充分に確保できない場合は、公開ミサ、あらゆる典礼を中止。

 *さいたま教区(埼玉、栃木、群馬、茨城各県)=緊急事態宣言が出た埼玉県だけでなく、栃木、群馬、茨城県を含む教区全体で公開ミサを平日含めすべて中止。

 *名古屋教区(愛知、岐阜、石川、福井、富山各県)=聖堂では、間隔を空けて座るようにし(1メートルが目安)、人数制限をする。窓やドアを前後、はすかいに開けるなど、効果的に換気する、などが、難しいと主任司祭が判断する場合は、公開ミサ中止。

 *京都教区(京都府、滋賀、奈良、三重各県)=京都南部4ブロックの公開ミサ休止継続。他のブロックも、各自治体のコロナ感染対策の変動に応じて随時、公開ミサを休止。

 *大阪教区(大阪府、兵庫、和歌山各県)=基本対策(手指消毒、マスク着用、換気、連絡先把握、歌わない、発声をなるべく控える、可能なら2メートル少なくとも1メートルの距離をとって座る、などに加えて入堂時に検温をする)を徹底することが、きない場合(物理的な面だけでなく、対策をとる上で役員や担当者に過度な負担がかかる場合なども含む)や、それぞれの場所の事情がある場合は、公開ミサ中止。

 *福岡教区(福岡、佐賀、熊本各県)=福岡県内で公開ミサを中止。県独自の緊急事態宣言を14日に出した熊本県内も公開ミサ中止。

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 なお、政府の緊急事態宣言が13日に出された神奈川県を管内に持つ横浜教区(神奈川、静岡、長野、山梨)は、従来から司教協議会のガイドラインを流しているだけで、教区長としての判断はなく、各教会の主任司祭などに判断を任せている。今回の非常事態宣言を受けて教区事務局から出されたのは、各教会主任司祭あての「1月26日の司祭月修」の中止連絡のみ。

 また司教協議会会長が教区長を務める長崎教区(長崎県)は、1月10日と17日の主日ミサの公開ミサ(週日のミサを除く)を中止。18日以降については、県内の動向を注視しながら判断する、としている。

 

 

 

 

*横浜教区 1.14

・日本のカトリック教会における感染症対応ガイドライン(2020年11月1日 日本カトリック司教協議会)を流しているのみ。緊急事態宣言後も、14日の「今月の司祭月修中止連絡のみ。

・横浜教区本部事務局 事務局長 保久 要より  今月の月修〔1/26(火)〕について・・ 1 月 8 日~2 月 7 日までの間、神奈川県には非常事態宣言が出されておりますので、今月の月修〔 26 日(火)〕は中止といたします。次の司祭の集まりは 3 月 31 日(水)の聖香油ミサとなります。実施方法については、もう少し時期が近づいてから判断することになると思います。

 

・手探り状態での対応とはいえCOVID-19パンデミックを通して学んだことを整理し、同様の未知のウイルスなどによる感染症が発生した場合のリスクマネジメントについて、(司教協議会が)ガイドラインを定めることにしました。これをもとに、教区・地区・小教区の地域性や状況を考慮し、適応させてください。

(国内における感染症の感染拡大:国内において感染症の感染が拡大し、行政による緊急事態宣言や営業・移動の自粛要請が出された段階⇒○会衆が参加するミサの中止(会衆が参加しないミサはできる)。全ての信徒に対するミサ出席義務免除。○原則として、上記のミサを除く全ての教会活動の中止。○秘跡 洗礼、結婚、ゆるし:延期・病者の塗油:緊急性のある場合のみ、十分な感染症対策をとって行う。○葬儀 遺族と相談の上、十分な感染対策を行えば可能。*火葬のみ済ませ、葬儀は後日行うことも検討

 

*名古屋教区 1.14 松浦悟朗司教

・1 月 7 日に政府は首都圏の1都3県に対して緊急事態宣言を発出し、本日、さらに愛知県と岐阜県を含む7府県に緊急事態宣言が出されました。期間は1 月 14 日から 2 月 7 日までの間で、その間さまざまな自粛要請が出されています。今回の宣言に対して名古屋教区としてはこの期間、昨年のように一律にミサを中止することはしませんが、これまでの対策を徹底することを前提に、以下のことを(特に下線の部分)重点的に実行するようにお願いします。それが難しいと判断される場合は、ミサを中止してください
・換気の徹底:聖堂では、間隔を空けて座るようにし(1メートルが目安)、人数制限をする。窓やドアを前後、はすかいに開けるなど、効果的に換気する。・聖歌と司祭と信徒の応唱について: 聖歌は全員で歌わない。独唱とするかオルガン奏楽のみとする。典礼を豊かにするためにオルガンをできるだけ活用する。* 唱える部分についても全員で唱えず、先唱者のみとする。司祭と先唱者だけの応唱とする。答唱詩編などは、先唱者と朗読者が交互に唱えることができる。

・小教区によって、近隣の感染状況や聖堂環境を徹底できないなどの理由からミサが難しいと判断される場合、司祭と小教区評議会(あるいは役員)が相談の上、中止することができる。

 

*長崎教区  2021年1月7日(木)

・長崎地区3地区の地区長たちと連絡を取り合い、長崎地区の全小教区に対して、

・1月4日に通達した「主日のミサ参加義務の免除」はそのまま1月いっぱい与える。2月以降は1月の動向を見て判断。新型コロナ感染症への個別の対応は、今後も各小教区の主任神父様、地区の神父様方の判断を尊重しながら対応

 

。その場合、司祭は「主日ごとに…自己にゆだねられた民のためにミサを捧げる義務を有する」(教会法535条第1項)のですから、小教区の信者のために個人的にミサを捧げてください。

 

 

*京都司教区 1月11日

 ・京都府・奈良県・滋賀県・三重県別のミサ等休止について カトリック京都司教✙パウロ 大塚喜直

  新年を迎えましたが、全国 的に新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大しています。政府は1月8日 から、首都圏(1都3県)に緊急事態宣言を発出しま した。京都教区の京都府、奈良県、滋賀県、三重県、さらに大阪大司教区の大阪府、兵庫県、和歌山県の関西一 円において、新規感染者数が急増し、医療現場の状況が悪化しています。

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・ミサの受付や除菌作業が、役員や限られた信徒に集中しないように、司祭は配慮してください。
必要な奉仕者が確保できない場合は、ミサ休止を判断してください。 

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2021年1月15日