(2019.10.7 バチカン放送)
「アマゾン周辺地域のための特別シノドス(世界代表司教会議)」2日目の7日、シノドス事務局長のロレンツォ・バルディッセーリ枢機卿が、会議の概要を説明した。
事務局長はまず、シノドスホールで開かれた全体会議で「聖霊の導きのもと、新しい歩みを求めて、進んでいきましょう」と参加司教たちに呼びかけたうえで、「アマゾン、教会と統合的エコロジーのための新たな歩み」をテーマにしたこのシノドスの二つの目的を説明。
目的の一つは、このシノドスが「宣教の地としてのアマゾン地域における福音のインカルチュレーションのために、現地の文化に適合した対応方法を見つけていく」という教会にとっての本来的な挑戦を意味していること。もう一つは、このシノドスを通して、深刻化しつつある環境問題に「統合的エコロジー」の観点から向き合っていくこと、とした。
そして、「シノドスの歩みを方向づけるものは、教皇フランシスコも話されている通り、『しばしば忘れ去られ、熱帯雨林の危機などによって安定した未来を見通すことができない先住民族を始めとしたアマゾンの人々』のために、福音宣教のための新しい道を見出す努力である、と述べた。
また、事務局長は「この会議はアマゾン周辺という特定地域をテーマにしていますが、世界の教会全体が関心を寄せるべきものでもあります」と指摘し、今シノドスへの参加を、他の大陸・地域の地方教会や教会組織に広げた理由を説明した。
シノドス参加者の内訳は、司教は185名で、うち113名はアマゾン地域国の司教たち(アンティル3、ベネズエラ6、コロンビア13、エクアドル7、ブラジル57、ボリビア11、ペルー10、および地域の司教協議会代表)、世界のその他の地域の司教協議会から24名。教皇庁関係は、シノドス評議会のメンバーである13の省・組織の各責任者。修道会の総長連盟から15名。アマゾンと同様の問題を抱える世界各地から教皇の指名を受けた司教たち。ほかに、12名の特別招待者、25名の専門家、アマゾンの16の先住民族からの代表を含めた55名の傍聴者が参加している。
(編集「カトリック・あい」)
7日の全体会議の概要
(2019.10.2VaticanNews ) アマゾン地域シノドスは7日、二回目の全体会議を開き、この日のいくつかのトピックについて意見を交換した。また、今シノドスの最終文書起草委員会のメンバーのうち4人を選出した。残りの3人は後日、教皇が指名する。 この日話し合われた主なポイントは次の通り。
*気候変動問題
気候変動への戦いにおける若者たちの働きの重要性を、最近話題になっているスウェーデンの16歳の活動家、グレタ・トゥーンベリさんを例にとって考えた。気候変動について、司教たちは、気候は将来の世代のために守り、維持しなければならない共通善であることを確認。化石燃料の使用を止めること、とくに汚染物質の主要排出国である先進工業国はそうすべきだ、という意見で一致した。
*水質保全問題
関連して、司教たちは、地下水を、多国籍の生産活動から生まれる化学物質による汚染からまもることの重要性を強調した。中でも、強調したのは、工業用原料となる鉱物資源の採掘が原住民の人々に与える影響の問題。水質保全は、彼らの生存の助けとなる、とした。
*典礼に参加する権利の保障
原住民の人々のミサなど典礼への参加について、司教たちは、教会は真の典礼の精神と調和するものなら、前向きに、あらゆる対応を考える、と述べた。
*秘跡について
最後に、司教たちは、シノドス作業文書で提示されている課題の一つー司祭の数が決定的に不足している地域で秘跡を信徒たちに授ける方策ーについても、意見を交換した。