聖地管理800周年を迎えたフランシスコ会を教皇が評価、激励(CRUX)

(2017.10.18 Crux Staff)

 フランシスコ修道会が聖地エルサレムのカトリックの領域管理を託されて800周年の記念の年を迎え、教皇フランシスコが17日、声明を発表し、修道士たちを「神の民全員の代表たち」と讃えた。

 聖地のカトリックの領域のフランシスコ修道会による管理は1217年に、アッシジの聖フランシスコに託され、その100年余り後の1342年に同修道会が教皇クレメンス6世によって聖なる神殿の管理者と公式に認められたが、教皇は声明で、聖地のフランシスコ会の果たしてきた役割について「歓迎と導きを通して世界各地からの巡礼者の歩みに進んで寄り添ってきた」と評価した。

 現地エルサレムでの記念式典に出席した同修道会のマイケル・ペリー総長は「私たち修道会がここで活動しているのは、全てのキリスト教徒のためだけではなく、すべての人類のため。全人類のためなのです」と述べ、さらに、別のインタビューで、「これは、アッシジのフランシスコの思いでもありました。彼は聖地訪問を望み、当時非人道的な行為が行われていたエジプトの港、ダミエッタ(当時、第五次十字軍のキリスト教徒の騎士たちが占拠していた)まで旅をしました。今日も、世界には非人道的なさまざまな行為がされています。管理者である彼の思いは、人々の間に対話と調和をもたらし、人類に欠かせない発展が実現することにあったのです」と強調した。

 フランシスコ会は現在、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、シリア、レバノン、エジプトの一部地域、キプロス、ギリシャのロードス島で活動しており、12の教会をもち、エルサレムの聖墳墓教会とベツレヘムのキリスト生誕教会をギリシャ正教会、アルメニア・カトリック教会と共同管理している。また、聖地で多くの小教区、学校を運営し、現地のキリスト教徒共同体を支援している。

 このような活動の実績を受けて、教皇は声明で「私たちの兄弟たち、とくにもっとも貧しく、弱い者たちを、あなた方が喜んで支え続けられるように、激励します。平和の無い状態が続く中で希望を失いそうになる若者たちを教育し、お年寄りを歓迎し、病の人を世話するなど、日々の生活の中で具体的なやり方で慈しみの業をすすめていくように」と期待を述べられた。

 (翻訳・「カトリック・あい」南條俊二)・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載します。

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2017年10月19日