♰「私たちは”人間家族”の一員だ、ということを忘れないで」-ダボス会議50周年

(2020.1.21バチカン放送)

50周年を迎えた世界経済フォーラム50周年を迎えた世界経済フォーラム  (ANSA)

 会議には、バチカンを代表して人間開発省のピーター・タークソン長官(枢機卿)が参加しているが、教皇はメッセージで、複雑に絡み合う形で数多くの問題を抱える今日の世界の中で、「持続可能な世界へ利害関係者の結束」という会議のテーマは「人類が直面する様々な課題にあらゆるレベルでより効果的な方法で取り組む必要を示しています」と強調。

 そして、会議発足からこれまでの50年間に、世界の経済など様々な発展で地政学的環境は大きく変わったが、「発展は人類に益をもたらす一方、重大な欠陥ももたらしています」と指摘したうえ、「50年前と今の状況は違っても、いつも忘れてならないのは『我々は人類家族の一員』だ、ということです」と述べ、「互いに助け合いうことを、道徳的義務と認識し、公共的な政策の中心に、『権力や利益の追求』ではなく、『人間』を据えねばなりません」と訴えられた。

 さらに、「真に統合的な人類の発展は、『すべての人類家族のメンバーが共通善の追求の対象に含められ、すべての人がそのために貢献』できてこそ、可能になります」とする一方で、「真の発展の追求において、他者の尊厳を侵すことは、発展の価値を落とすことにつながります」と警告された。

 メッセージの終わりで教皇は、世界経済フォーラムの50年間の実りを振り返りつつ、この会議で、今回の、そして未来の参加者が、『すべての人の総合的発展を目指す』強い責任感を保ち続けることを、願われた。

(編集「カトリック・あい」)

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(関連記事)1兆本の植林活動では不十分、グレタさんがトランプ氏表明に不満

(2020.1.21 ダボス発 ロイター) – スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんは21日、スイスのダボスで開催されているダボス会議で、トランプ米大統領が参加を表明した1兆本の植林活動を念頭に、「植林だけでは気候変動の解決に不十分だ」と述べた。

 グレタさんは「我々の家は火に包まれている」と昨年のダボス会議での発言を繰り返し、「無為が火に油を注いでいる」と行動を促した。

 トランプ氏はこの日、ダボス会議で演説し、米国が1兆本の植林活動に参加することを表明。一方で、環境活動家を「過去に愚かな予言を行ってきた人々の後継者」と非難し、石油・ガス業界の経済的な重要性を主張した。

 これに対してグレタさんは、各国指導者が「子どもは心配すべきではない。そう悲観的になるな。何も起きていない。静かにしていろ」と「空虚な発言や約束をしている」と批判した。

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2020年1月22日