(2018.4.17 Crux Author
ローマ発―教皇フランシスコは17日朝の宿舎「サンタ・マルタの家」でのミサの説教で、「教会は真の預言者を必要としています―恐れることなく真実を語るだけでなく、民の苦しみに共感する人です」と参加した司祭たちに努力を求めた。
預言者は、常に「自らの民のために声を上げることができるだけでなく、真実を語る危険を冒すことのできる人」でなければなりません、としたうえで、教会は「私たち(司祭、聖職者)に預言者であることを求めています。批評家ではない、それは別物―ひとことで言えば、とてもひどい、批判家の裁判官―です」「そのような人は預言者ではありません」と強調しされた。
教皇は説教で、この日のミサで第一朗読として読まれた使徒言行録の聖ステファノの殉教を思い起こされた。このカトリック教会の初の殉教者は、「いつも聖霊に逆らって」いた「頑固で高慢な人々」(7章51節以降参照)―長老と律法学者たち―を非難した、として石殺しにされた。教皇は、真実はいつも「心地のいいものではなく」、預言者が真実を語る時、人々は心を開くことができるか、それができなければ、「さらに石のように固くなり、怒りを露わにし、迫害することになります」と語られた。
そして、イエスも、時として、厳しい言葉で人々を叱責し、「強情で不貞な世代の者たち」とさえ批判したが、また、エルサレムのために涙を流された時になさったように、彼らのために叫び声をあげておらる、と指摘。「これは試練です。真の預言者は自分の民のために叫び、(真実を)語るべき時に力強く語ることができるのです。優柔不断でなない、常に―単刀直入―です」とし、聖ステファノと多くの殉教者たちのように「真の預言者は、なすべき事をしようとすれば、自らを危険にさらす」ことになるが、それが他の人々が希望を見出すことにつながる、とのべた。
説教の最後に教皇は「預言者のこのような献身が、教会に絶対、欠かすことのできないものでありますように。それによって、私たちが常に、前に進むことができますように」と祈られた。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)
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