・香港民主派主催「100万人」デモー陳枢機卿などカトリック、プロテスタントも参加

(2019.6.11 カトリック・あい) 香港で9日、中国への犯罪容疑者の引き渡しを可能にする「逃亡犯条例の改正」に反対する民主派主催の大規模デモが行われ、主催者側発表で1997年の中国返還以来最大の103万人が参加した。条例改正によって、共産党政権の意向が司法に強く反映される中国本土への容疑者移送が可能になり、人権や信教の自由を主張して政府・党へ批判的な立場をとる人々を外国人も含めて拘束する事態となる可能性への人々の強い懸念が背景にある。Mass protest against extradition law in Hong Kong

 アジアの有力カトリック・メディアucanews.comが10日、香港発で伝えたところによると、同条例改正に反対するデモは、米、英、豪、加など世界12か国、29市でも行われ、香港のデモには、陳日君・枢機卿、夏志誠・補佐司教を筆頭に、カトリック、プロテスタントの教会関係者も参加した。

 この日のデモに先立って、カトリック香港教区の正義と平和委員会(JPC)は他のキリスト教徒のグループとともに祈祷集会を開き、1000人近くが集まった。JPCのBiddy Kwok委員長はucanews.comの取材に、条例改正は香港市民の個人的な安全を中国政府に売り渡すものであり、「香港の人々は、改正に反対する意向を、すでに香港政府に対して、明確に伝えている」と述べ、10日の100万人を超える人々の条例改正断念要求を無礼にも無視している、と香港政府を強く批判した。

 ucanews.comによれば、香港教区のある司祭は「条例改正で、香港にいるキリスト教徒の中には、中国本土に移送され、共産党政府によって裁判にかけられる者が出てくる可能性がある」と懸念を示す一方、「中国政府は”犯罪”を捏造するかもしれませんが、香港市民による抗議運動は、どのような事態になろうと、正義を訴え続ける、という意思を示すものです」とデモ参加者を激励。あるプロテスタントの牧師は「キリスト教徒には、政府が誤ったことをしようとしたら、それを正す義務があります」と訴え、「北京政府は”国家の安全を害する者”と判断する香港市民を裁判にかけるために、中国本土に移送しようとしています。裁判を担当する判事は政権への奉仕者であり、政府・党の意向に反する判決は下さないでしょう」とも警告した。

 

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2019年6月11日