・中国当局、”地下教会”司教の葬儀ミサから”地下教会”司祭たちを排除

Tight control for Chinese underground bishop's funeral

(写真は、「司祭」というタイトルしか許されなかったLi司教の墓石=ucanews.comに現地関係者が提供)

(2019.6.12 カトリック・あい)

 香港で市民の大規模な抵抗にもかかわらず、表現や信教の自由など基本的人権が中国政府・司法当局によって侵されかねない法改正が強行されようとする一方で、中国本土では、教皇に忠誠を誓い、政府・共産党の統制下に入ることを拒む”地下教会”に対する締め付けが一段と強まっている。

 アジアの有力カトリック・メディアucanews.com が12日に香港発で伝えたところによると、中国の中心都市のひとつ、天津市の”地下教会”の Li Side司教が8日亡くなり、10日に葬儀ミサが行われたが、同司教の跡を継ぐとされているShi Hongzhen補佐司教をはじめとする”地下教会”の司祭たちは排除された。

 現地の教会関係者によると、特にSi補佐司教は現地当局による24時間の監視体制に置かれ、葬儀ミサは、政府・党の規制下にある”地上教会”-天津天主愛国協会ーが取り仕切った。”地下教会”の司祭たちは当局にSi補佐司教に葬儀ミサを司式させるよう求めたが、故Li司教もSi補佐司教も当局が承認していない、として拒否され、墓地での埋葬式にも”地下教会”の司祭たちは立ち会うことができず、墓石に「司教」と書き込むことも禁じられた。

 葬儀場での死者ミサを”地下教会”の司祭が司式することは認められたが、信徒たちによる写真撮影は禁じられた、という。現地の信徒がucanews.comに語ったところでは、Li司教の訃報はインターネットで流されたものの、短時間のうちに消去されてしまった。

 ucanews.comによると、Li 司教は1926年10月に河北省で何代も続くカトリックの家庭に生まれ、13歳の時に小神学校に入り、1949年から北京にあった聖ビンセント神学校で学び、1955年に天津教区で司祭に叙階された。1982年に司教となったが、中国政府非公認の中国司教協議会に加盟した後、1989年に当局に拘束された。その後も逮捕、拘束を繰り返され、合わせて20年以上も獄中で暮らすことを強制されてきた。

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2019年6月12日