・韓国のカトリック信徒数が20年間で1.5倍に増えたが…(VaticanNews)

Pope Francis with Korean pilgrims at a General Audience in the Vatican in 2019. Pope Francis with Korean pilgrims at a General Audience in the Vatican in 2019.   (ANSA)

(2020.1.16 VaticanNews Robin Gomes)

 カトリック信徒数が韓国で、この20年間に1.5倍も増えていることが分かった。

 韓国カトリック司教協議会の司牧研究所が16日発表した調査報告書によると2018年現在のカトリック信徒数は580万人で、1999年の390万人から48.6%増加、韓国の総人口(約5100万人)に占める割合は、この20年間で8.3%から11.1%と1割を超えた。

  同研究所からバチカンの通信社Fidesに送られた調査報告書によると、教区別でもっとも信徒の増加率が大きいのは、水原司教区で89.1%。大田(79.6%)と議政府(78.9%)がこれに次ぐ伸びとなっている。

 ただ明るい面ばかりではない。最近の韓国全体の伸びを見ると徐々に縮小している。 年間増加率は2001年に3.9%のあと、2009年まで2%台に落ち、2010年には1.7%。教皇フランシスコの韓国訪問で2014年に2.2%まで回復したものの、2015年以降は約1%が続いている。

 信仰生活の重要な指標と考えられる日曜日のミサに参加する信徒の割合も、20年間に29.5%から18.3%へ大きく減少している。教会で結婚式をし、婚姻の秘跡を受けた件数は1999年の2万4227から2018年には1万4167と41.5%減った。

 報告書は、ミサ参加者を増やす教区の努力について触れているが、大幅な改善はなく、司牧研究所は、韓国の教会の福音宣教への取り組みを振り返り、その在り方を見直すように提言している。

 もう一つ報告者が注目しているのは、韓国のカトリック信徒の急速な高齢化だ。2003年から2018年の信徒の年齢別増加率をみると、9歳未満が32.4%、10代が33.2%だが、50代、60代、70代、80代は、それぞれ76.9%、93%、117%、251.6%と大幅に伸びている。

 年代別の信者の比率は、15年前の2003年に40歳代が20%を占めてトップだったのが、2018年には、50歳代が18.4%を占めてトップ。幼児洗礼者数は1999年に3万9013人だったのが、2018年には1万8942人に半減している。

 また、司祭の数はこの20年で2972人から4456人と1.5倍に増え、海外に派遣された韓国人宣教師の数は356人から1083人と3倍に急増しているが、神学生の数は1547人から1273人に17.7%減少し、今後に影を落としている。

 「好感が持てる宗教は」との問いには、過去5年間で「仏教」「宗教無し」が増え、「プロテスタント」が小幅減少、「カトリック」は大きく減っている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2020年1月17日