・3日から「若者シノドス」-”性的虐待”も協議へ、中国から司教2人が初参加

(2018.10.1 VaticanNews Linda Bordoni)

 「若者たち、信仰、召命の識別」をテーマとする全世界代表司教会議(シノドス)通常総会が3日、サンピエトロ大聖堂で教皇フランシスコ司式のミサで、約一か月にわたる会議の幕を開ける。

 シノドス開催を前に、その進め方や狙いについて、シノドス事務局長のロレンツォ・バルディッセーリ枢機卿が1日の記者会見で説明した。

*若者代表39人が”監査役”として出席

 会見でバルディッセーリ事務局長はまず、先に教皇が出された使徒憲章「司教の一致」-”神の民”の関与と司教同士、司教と教皇の間での対話と協力のさらなる促進の必要を強調している-で示された会議の手順について説明したうえ、「この憲章は、司教たちと世界の5大陸の若者代表39人を含む49人の”監査役”の議論を聞いたうえで、参加司教たちが取りまとめる最終文書に、大きな影響を与えることになるでしょう」と述べた。

 今回のシノドスには、枢機卿、司教、司祭、修道会聖職者、一般信徒の専門家など約300人が参加するが、注目されるのは、パウロ6世が1965年にシノドスを始めて以来初めて、中国から二人の司教が参加することだ。これは、先に、バチカンと中国が中国国内の司教任命について暫定合意したのを受けて、バチカンからの招待受諾が可能になったものだ。

*各種メディア活用し、情報公開を積極化

 また、今回は会議の内容の公開にも従来よりも前向きで、日々の報道、ビデオ放映、多言語による毎日の記者会見、#synod2018 によるツイッターやさまざまなソーシャル・メディアを通じての情報公開を予定している、という。

 この記者会見で、「現在世界中で問題になっている聖職者による性的虐待が、若者たちの不信と怒りを引き起こし、教会との意思疎通を壊す恐れが出ている。この問題も取り上げる必要があるのではないか」という質問に対しては、事務局長は「シノドスは、そうした重要問題についても意見を交換する絶好の機会になると確信しています」と答え、議題として取り上げられる見通しを示した。

*夕べの音楽の集いに多くの若者参加を期待「心を開いて若者たちの声を聴く」

 事務局長によると、教皇は、約一か月にわたるシノドスの会議のほぼ全日程に出席の見通しで、特別招待者の秘密のイベントと見られるようなことはしたくないと考えておられ、バチカンの謁見会場で土曜日に予定する夕べの音楽と歓談の集いにも、教皇や他のシノドス出席者とともに、多くの若者たちも参加してくれるよう願っている、という。

 事務局長はさらに、カトリック教会が信徒たちとともに歩むことでその役割を果たす必要があり、今回のシノドスで希望しているのは「目と耳を開くだけでなく、心と頭を開き」、「若者たちの動揺」を通して教会に寄せられた課題を受け取ることだ、と繰り返し強調した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2018年10月2日