(2019.7.19 VaticanNews Veronica Scarisbrick and Linda Bordoni) アポロ11号月着陸50年
Pope Paul VI watches the moonlanding on television on 20 July 1969 (©CATHOLICPRESSPHOTO)1969年7月20日(日本時間21日)、米国の宇宙船アポロ11号から、二人の宇宙飛行士が月面に降り立った。その50周年を記念して、バチカン放送は、「月に打ち勝った」宇宙飛行士たちに祝福を送られた当時のパウロ6世教皇の肉声を公開した。(「カトリック・あい」注:https://www.vaticannews.va/en/vatican-city/news/2019-07/pope-paul-vi-moon-landing-50-anniversary.htmlでお聞きになれます)
世界中の何百万という男性、女性、そして子供たちと同じように、パウロ6世は1969年7月20日の夜を、月面に降り立ち、歩いた世界で最初の人物、ニール・アームストロング氏の一挙手一投足を見守ることで過ごした。
この歴史的な出来事から50年、科学者たちは人類がアポロ11号とその乗組員たちが成し遂げたものに匹敵する大事業に着手する必要がある、との考えで一致している。
この出来事がもつ重要性は、時の教皇、パウロ6世にも分かっていた。そして、当時のニクソン大統領に祝電を送るよりも先に、月面着陸に関わった三人の宇宙飛行士たちに宇宙中継ですばやく祝福のメッセージを送られた最初の教皇となられたのだ。スカリスブリック記者は、この教皇の肉声の再放送の中で「パウロ6世教皇は宇宙飛行士たちに話しかけておられますー敬意を込めて、挨拶し、祝福を送ります、月の勝利者となった皆さんへ」と解説した。
記者が指摘するように、パウロ6世教皇にとって、月面歩行は「神の業の偉大さ」を示すものであり、月は「私たちの夜の、ロマンチックな淡い明かり」だった。教皇は語られるー「夜の淡い明りとワタシ地の夢は、生きておられる聖霊の御声とともに、月にもたらされます」。
小さなアポロ月着陸船が月の表面に近づき、脚を伸ばして着陸態勢に入ると、次に何が起こるかと、世界中の人々がテレビで流される不鮮明な画像を目を皿のようにして見つめた。教皇もその一人だった。バチカンの天体観測所を備えた夏の教皇別邸、カステル・ガンドルフォで、月面着陸の様子に見入っておられた。
そして、アームストロング飛行士が月面に降り立つと、教皇は拍手を送り、言われたー「全カトリック教会とともに、私たちは祝福と祈りをもって、あなた方の側にいます」。
パウロ6世は、それまでもしばしば、この天体観測所の望遠鏡で月をご覧になり、いつも宇宙への旅に特別の関心を示しておられた。教皇に就任されて最初のあいさつでも、宇宙への旅が人類にとって新たな時代の幕を開ける、と語られ、後には、ある宇宙飛行士に、月の表面に置くためのブロンズ製の盾を渡された。詩編の「主よ、我らの主よ 御名は全地でいかに力強いことか」(8章10節=聖書協会共同訳)という言葉を添えて。
そのお返しに、教皇は月の石を手にした。その石は、今もカステル・ガンドルフォに保存されている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
教皇フランシスコも「いっそう大きな目標へ共に進歩できるように」
(2019.7.22 バチカン放送)
教皇フランシスコは21日、バチカンで行われた日曜正午の集いで、「人類初の月面着陸から50年」に触れられ、「人類の足が月面に触れた50年前のことが、昨日のように思い起こされます… この出来事は素晴らしい夢の実現でした」と話された。
そして、「人類にとってのあの偉大な一歩が、いっそう大きな目標に向かって、共に進歩する望みをかきたててくれますように」と願い、「弱い立場の人々により多くの尊厳を、人々の間により正義を、わたしたちの共通の家である地球により多くの未来を」と祈られた。