(2020.4.9 カトリック・あい)
司祭不足や女性の福音宣教への参加などの観点から導入要請が世界の教会関係者から高まる中で、教皇フランシスコが、女性助祭を研究するための委員会の設置を決めた。
委員長にはイタリアのペトロッキ枢機卿、委員は女性を中心にした欧米6か国の各分野の専門家10人で構成される。
委員会はあくまで「女性叙階の可能性についての研究」と控えめな目的を掲げているが、今後の検討結果と、それをもとに教皇がどのような判断をされるか注目される。
(2020.4.8 Vatican News Sr Bernadette Mary Reis, fsp)
バチカン広報局が8日、カトリック教会の女性助祭の可能性を研究するための新しい委員会の設置と委員の名簿を発表した。
発表には、教皇がバチカン教理省長官のルイス・ラダリア枢機卿とこのほど会見した際、この新しい委員会の設置を決定したことも述べられている。
新委員会の委員は次の通り。
委員長=ジュゼッペ・ペトロッキ枢機卿(イタリアのアクイラ大司教) 事務局長=デニス・デュポン・フォーヴィル神父(バチカン教理省) 委員=キャサリン・ブラウン・トカチ教授 (ウクライナ・リヴィウ) ドミニク・セラート教授(米国スチューベンビル) ドンサンティアゴ・デルクラ・エレナ教授(スペイン・ブルゴス) キャロライン・ファレイ教授(英国シュルーズベリー) バルバラ・ハレンシュレーベン教授(スイス・フライブルク) ドン・マンフレッド・ハウケ教授(スイス・ルガノ) ジェームス・キーティング教授(米国オマハ) アンジェロ・ラメリ教授(イタリア・クレマ) ロサルバ・マネス教授(イタリア・ビテルボ) アン・マリー・ペルティエ教授(フランス・パリジ)
以前の同趣旨の委員会は、女子修道会総長の国際連盟が教皇フランシスコと会見した際、女性助祭について検討を求めたのを受けて、2016年8月に作られた。委員会は研究結果を文書にまとめ、教皇に提出したが、教皇はその内容は(注:導入の是非を判断するうえで)決定的なものではない、との判断を示していた。さらに、教皇は昨年開かれたアマゾン地域シノドスの閉幕に当たっての説教で、この問題について新たな委員会設置の意向を示していた。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)