・バチカン典礼秘跡省が、新型ウイルス感染終息を願う特別ミサ実施を認める教令

(2020.4.8 カトリック・あい)カトリック中央協議会は8日、バチカンの典礼秘跡省が3月30日に出した新型ウイルスの世界的大感染の終息を願う特別ミサの実施を認める教令の日本語訳をホームページに掲載した。全文以下の通り。

典礼秘跡省 教令 感染症の世界的流行の時節におけるミサについて

闇にしのび寄る疫病も、恐れることはない」(詩編91・5-6参照)。詩編作者のこの言葉は、試練の時、自らの民を決して見捨てることのない神の揺るぎない愛に大きな信頼を寄せるよう勧めている。

 新型コロナウイルス感染症(Covid-19)によって全世界が大きく傷ついているこの時節に、神がこの感染症の世界的流行を終息させてくださることを願う特別のミサをささげることができるよう、多くの要請が当省に寄せられた。

 したがって、当省は、教皇フランシスコによって与えられた権限に基づき、感染症の世界的流行に際してミサをささげる許可を与える。このミサは、感染症の世界的流行が続く間、祭日、待降節と四旬節と復活節の主日、復活の八日間、死者の日、灰の水曜日、聖週間を除いて、すべての日に行うことができる(「ローマ・ミサ典礼書の総則」374参照」。

 ミサの式文は本教令に添付される。

 以上に反することはすべて退けられる。

式文:感染症の世界的流行の時節のミサ

【感染症の世界的流行の時節に】

 このミサは、種々の機会のためのミサと祈願の典礼注記に従い、祭日、待降節と四旬節と復活節の主日、復活の八日間、死者の日、灰の水曜日、聖週間を除いて、すべての日に行うことができる。

(入祭唱)
主はわたしたちの苦悩を背負い、わたしたちの苦しみをになわれた。 (イザヤ 53・4 参照)

(集会祈願)
全能永遠の神よ、苦難のうちにあるあなたの子らの心からの願いを聞き入れ、危機から救ってくださるのはあなただけです。
苦しむ人にあわれみのまなざしを注ぎ、亡くなった人には永遠の安息を、嘆き悲しむ人には慰めを、病気の人にはいやしを、死を迎える人には安らぎをお与えください。
医療に従事する人を力づけ、指導者に知恵を授け、愛をもって援助の手を差し伸べるすべての人を勇気づけてください。
わたしたちが、あなたの聖なるみ名をともに賛美することができますように。
聖霊の交わりの中で、あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

(奉納祈願)
恵み豊かな神よ、危機に直面するこの時、わたしたちがささげる供えものを受け入れてください。
あなたの全能の力によって、この供えものが、いやしと平安をもたらす力の源となりますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

(拝領唱)
重荷を負って苦労している人は皆、わたしのもとに来なさい。わたしはあなたたちを休ませてあげよう。 (マタイ 11・28)

(拝領祈願)
いつくしみ深い神よ、あなたは永遠のいのちをもたらす薬を与えてくださいました。
この秘跡の恵みを通して、わたしたちが、いやしの力に満たされる喜びを味わうことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

(会衆のための祈願)
(派遣の祝福の直前に、司式者は会衆に向かい、両手を伸べて次の祈りを唱える)
希望のよりどころである神よ、あなたの民を祝福し、いやし、助け導いてください。
罪から解放され、敵から守られて、いつもあなたを愛し続けることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

(聖書朗読箇所)

 (「困難のとき」のミサの朗読を用いることができる)

第一朗読= 哀歌 3・17-26 主の救いを黙して待てば、幸いを得る わたしの魂は平和を失い……

答唱詩編= 詩編 80・2ac+3b、5-7(『典礼聖歌』80②③)

 または
第一朗読= ローマ 8・31b-38 死も、命も、神の愛から、わたしたちを引き離すことはできない
〔皆さん、〕もし神がわたしたちの……
答唱詩編= 詩編 123・1-2a、2bcd(『典礼聖歌』116①栄)

アレルヤ唱=(詠唱) 二コリント 1・3b-4a(『典礼聖歌』275⑪)
福音朗読 =マルコ 4・35-41 いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか その日の夕方になって、……
(2020 年 4 月 7 日 日本カトリック司教協議会認可)

典礼秘跡省にて、2020年3月30日 長官 ロベール・サラ枢機卿 次官 アーサー・ローチ大司教

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2020年4月8日