【2017.3.27 CJC】エルサレムの旧市街にある聖墳墓教会で、イエス・キリストの墓があるとされる聖堂「エディクラ」の修復が 世界中から何千人もの信者が集まるイースターを控え完了し、このほど一般に公開された。
エルサレムの聖墳墓教会内で、イエス・キリストの遺体が安置されたという石墓を囲んで建てられた聖堂「エディクラ」の修復作業が行われていた。(PHOTOGRAPH BY ODED BALILTY, AP FOR NATIONAL GEOGRAPHIC)
聖墳墓教会は、イエス・キリストが十字架に架けられたゴルゴダの丘とされる場所に336年に建設され、その後、増改築が繰り返されてきた。教会の中心部にある聖堂は、倒壊の危険があるとの指摘を受け、共同で管理する6宗派の協議が行われ、2016年6月から修復作業が始まった。 エディクラは石灰岩と大理石でできた構造物で、4世紀以来、十字架にかけられたキリストが埋葬された場所と伝えられてきた。
米メディア『CNN』などによると、修復プロジェクトは『ワールド・モニュメント財団』(WMF=本部ニューヨーク)が監修し、ギリシャのアテネ国立技術大学の研究者率いる幅広い専門家や技術者のチームが9カ月がかりで作業を行ってきた。作業は信者の祈りを妨げないよう、主に夜間に実施した。まず土台部分を修復し、続いて欠け落ちた石積みを元の場所に戻してチタン製の支えで固定した。2016年10月には、墓を覆っていた大理石板が500年ぶりに取り外されていた。米専門誌『ナショナル・ジオグラフィック』のクリスティン・ロメイ考古学担当記者は当時CNNの取材に、「現代史上初めて、墓から大理石を取り外し、イエス・キリストの遺体が置かれたと伝えられる岩を調べることができた」と話している。
聖墳墓教会はキリスト教のカトリックやギリシャ正教会など6宗派にとっての聖地となっている。宗派間の中立性を保つため、教会の鍵はイスラム教徒の一家が何世代にもわたって引き継いできた。エディクラはこれまで少なくとも4回、破壊されており、現在の建物は1810年、ギリシャの建築家が火災で損傷した構造を再建した。
WMFによると、今回の修復にかかった費用の総額345万ユーロ(約4億円)は個人からの寄付でまかなった。2018年にはエディクラの構造の長期的な安定を確保し、湿気による損傷が繰り返されることを防ぐため、第2段階の修復作業を行う予定。□