2016.8.17バチカン放送) 教皇フランシスコは、自発教令を通して、バチカンに信徒・家庭・生命を扱う新組織を設立された。
8月17日、教皇は自発教令の形を持つ使徒的書簡「セドゥラ・マーテル」を発表。「思いやり深い母としての教会は、常に、長き世紀にわたり、信徒、家庭、命を大切にし、いつくしみ深い救い主の愛を表してきました」。このように始まる同書簡で、教皇は、信徒と家庭と人間の生命が福音の生きた証し、贖い主の愛の表現となるよう、これらを支え、助けることを望まれ、今日の状況を考慮すると同時に、教会の求めに適合した、新しい組織の必要を述べられた。
創設される「信徒・家庭・生命省」は、独自の規約を持ち、これまでの教皇庁信徒評議会と教皇庁家庭評議会の管轄と機能を合わせた組織となる。
これに伴い、教皇庁信徒評議会と教皇庁家庭評議会は今年9月1日をもって、両評議会は廃止され、新組織に移行する。
教皇は新組織の長官として、米国ダラス教区のケビン・ジョゼフ・ファレル司教を任命された。また、これまで家庭評議会議長を務めたヴィンチェンツォ・パリヤ大司教を、教皇庁立生命アカデミーの会長に、結婚と家庭のための教皇庁立研究所「ヨハネ・パウロ2世」の理事長に任命された。
新省の設立は使徒的勧告「愛の喜び」受けた適切な対応
(2016.8.17 CRUX)
バチカンの主要組織で米国の教会から選ばれた初のトップとなるファレル司教は、1947年アイルランド生まれ、スペインの大学を卒業後、ローマのグレゴリアン大学で哲学と神学、聖トマスアクイナス大学で教理、司牧神学を修めた。ローマで司祭叙階、メキシコで司牧活動をはじめ、1984に米国に移り、2001年にワシントン大司教区の補佐司教、2007年にダラス司教。この間、米国のノートルダム大学で経営、管理修士号取得、米国カトリック司教協議会事務局で経理担当、同予算・金融委員長を務める。
教皇の顧問格のワシントン大司教、ドナルド・ワール枢機卿は、17日に発表した声明で、「世界のカトリック教会から広範かつ熱烈に支持されている使徒的勧告「愛の喜び」を受けた速やかな新組織設立は、極めて適切な措置。さらなる重要な統治への新たなバチカンの担当部署を我々は手にした」と決定を歓迎。新しい省は、次官ポストと、三名の次官補ポストも予定され、これらの中に、一般信徒が任命される可能性が高い。
(2016.8.17 CRUXエディター・ ジョン・アレンJR)
新設される省の初代長官にケビン・ファレル・ダラス司教を選んだことで、教皇は、米国のカトリック教会内部の穏健派に大きな勝利をもたらし、教皇が米国の教会に冷淡ではないかと懸念もつ人々を安心させた。穏健派はバチカンに強力な友を得たと受け止めることができるだろう。使徒的勧告は、離婚して民法上の再婚をした信徒に聖体拝領を認めることに意思確認など識別を条件として前向きの姿勢を打ち出しているが、この問題は新省で扱われる。初代長官となるファレル司教は、勧告が発表された時にこれを支持する姿勢を明らかにしている。
*CRUXは米国の有力日刊紙「ボストン・グローブ」が創刊し、現在はKnights of Columbus など米国のカトリック団体・個人の支援を受けて発行しているカトリック専門のインターネット・マガジンです。バチカンや世界のカトリック教会の事情に精通した執筆者をそろえ、公正、的確な報道で高い評価をえています。「カトリック・あい」は