・欧州カリタスの代表団がロシアの攻撃続くウクライナ現地を訪問、支援継続を確認

(2025.7.26 Vatican News  Linda Bordoni)

 欧州カリタスのランダウ会長らメンバーが、ロシアの攻撃による人道危機が深刻化するウクライナの現地を訪問、連帯と支援継続を確認した。File photo of Caritas Ukraine solidarity operations in war zones

 訪問団は、ウクライナのイヴァノ・フランキフスクとリヴィウを訪問し、現在進められている人道支援プロジェクトを視察した。

 カリタス・ウクライナの会長でカリタス・ヨーロッパの副会長でもあるスタヴニチ氏は、このミッションを「出会い、励まし、計画の瞬間」とし、「欧州各地の多くのパートナーと共に実施されたもの。ウクライナのカリタスと、海外のパートナーとの出会いは、私たちに大きなエネルギーと励ましをもたらしてくれました」と感謝を述べた。

 また、「現地でのカリタス関係者の会議の前日には、ロシア軍による大規模な攻撃があり、会議中にも空襲警報が鳴り、避難区域に移動して情報交換とシナリオ計画の作業を続けました」と危機の実用を説明した。

 欧州カリタスの訪問団は、現地のカリタス・ウクライナなど支援団体がするめている避難所の提供、精神的・社会的な支援、避難民の支援、子どもと高齢者避難民向けのサービス提供などを視察。「これらの出会いによって、現地の人々の苦しみの深刻さだけでなく、共同体社会の強靭さと人道支援の重要さを、改めて認識した」と声明で述べた。

*緊急対応と長期の支援プロジェクト

 スタヴニチ氏は、ウクライナ国内で最大の国内ベースの人道支援ネットワークを構成する2つのカリス組織—カリス・ウクライナとカリス・スペス・ウクライナ—が連携した活動を強調し、「彼らの活動は、緊急対応や避難から、統合と回復を目的とした長期プロジェクトまで、幅広い支援に及んでいますが、私たちが最も力を入れているのは、最も脆弱な人々、独居の高齢者、特別支援を必要とする家族、大家族、シングルマザーなど。基本的な生活物資、衛生用品、水へのアクセス、住宅の修繕、心理社会的支援を提供し、攻撃から離れた地域では、避難民に対する住宅の提供、子どもに優しい空間の確保、生計の回復などの支援を続けています」と説明。

 ロシアによる攻撃の長期化、激化によって、「人々は疲弊していますが、生き続けること、対応すること、互いに助け合うこと、そして生活を再建する強い意欲は失われていません」と強調した。

*資金調達呼びかけ

 ロシアによるウクライナ侵攻開始を受けて始まったカリスネットワークのグローバル資金調達キャンペーンは、現在も活動維持に不可欠な役割を果たしている。「支援を必要とする人々の数は依然として非常に高い水準にあります。国連は2025年までにウクライナで約1300万人が人道支援を必要とするとの推計を発表しています」とスタヴニチ氏は指摘。「ネットワークは可能な範囲で支援を続けてくれており、ウクライナの脆弱な経済状況下でも、カリス会員との二国間プロジェクト、機関からの資金提供、現地での資金調達にも取り組んでいます」と説明した。

 声明で、ウクライナ・カリス・スペスの執行理事であるヴィャチェスラフ・グリネヴィッチ神父は、2025年の聖年における国際的な連帯の重要性を強調。「カリスネットワークによる連帯は、ウクライナにとって特に重要。欧州各地の多くの仲間たちとの心理的距離の近さを感じています。彼らの支援と存在は、私たちに力を与え、この困難な時代に一人ではないことを思い出させてくれます」と述べた。

*国際支援の減少への懸念

 一方で、欧州カリタスのランダウ会長は、ロシアによる攻撃の長期化や世界の他の地域での紛争多発などで、国際的な支援が減少を始めていることに懸念を表明。「ウクライナにおけるカリタスは大きな課題に直面しています。支援の必要性は巨大で増加し続けているが、欧州を含む多くの国際的な支援が減少し始めています。これは非常に懸念されること。ウクライナの人々は、今こそ私たちの連帯を必要としています」と訴えた。

 スタヴニチ氏も、「東部ウクライナから避難する人々は極めて脆弱です。多くは高齢者や移動困難な人々で、避難の支援、攻撃下にある人々への支援、すべてを失った人々への長期的な住宅解決策が継続的に必要です」とし、「帰る家がない人が今、何百万人といます。人々が住む場所を見つけ、仕事に戻り、最終的に人道支援から持続可能な生活へ移行できるよう支援する必要があります」と強調した。

*連帯と信頼の再構築

 そして、「連帯は、人道支援従事者と彼らが支援する人々を支える上で不可欠な役割を果たします。 戦争は人間の顔を破壊し、関係を引き裂きますが、連帯はそれの反対です。癒しをもたらすものです。援助を与える者と受け取る者との出会いに、深い意味があります。それは人間性への信頼を再構築するのです」とスタヴニチ氏は述べ、「私たちために祈り続けてください。2022年、私たちは世界の祈りの力を感じました。その祈りが止まらないようお願いします。そして、情報を収集し続けてください。第三に、関与してください。ウクライナを支援し、カリスや教会組織を通じて支援活動を支えてください」と訴えている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2025年7月27日