
(2025.11.22 Vatican News Cecilia Seppia )
ナイジェリア西部ニジェール州の聖マリア・カトリック学校に21日未明、武装集団が乱入、300人以上の生徒、教職員を拉致した。
ナイジェリアでは先日、ケッビ州で 25 人の女子生徒が誘拐され、 18 日にも西部クワラ州で教会が襲撃されるなど、カトリックの学校、教会を標的にした拉致、襲撃が頻発している。現地の教会はこの行為を非難するとともに、深い懸念を表明している。
今回の集団拉致について、どの組織も犯行声明や身代金要求を出していないが、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」のテロリストが背後にいる可能性が高い。
*頻発するキリスト教徒標的の拉致、攻撃、米国政府は制裁検討
キリスト教徒を狙った拉致や襲撃が頻発するナイジェリアに対し、米国政府はトランプ大統領主導で制裁の実施など検討しているが、ナイジェリア政府は、「攻撃は宗教的所属に関係なく、すべてのナイジェリア人を標的にしている」と弁明している。
だが、米国のトランプ米大統領は今月初め、ナイジェリアを「安全でない国」のリストに掲載し、同国で「キリスト教徒に対する迫害」が行われているとして、迅速な軍事介入を示唆。こうしたテロ行為が止まらない場合は、「ナイジェリアへの援助を直ちに打ち切る」とも述べていた。
今回の事件を受けて、米国務省ののプラット・アフリカ局長は、キリスト教徒に対する暴力に対処するため、「国防総省の支援を受けて、ナイジェリアに対する制裁措置とテロ対策の実施を検討している。制裁は、財務省による制裁と国防総省による対テロ対策の関与に加え、宗教コミュニティ保護のための追加的取り組みが含まれる」と説明。また、ナイジェリア政府への安全保障支援とその資源活用方法、情報・諜報の共有について見直しも進めている、という。
*地方政府は全寄宿学校に臨時閉鎖を命令
「アグワラ地区の聖マリア校で生徒と教師が拉致された、との報を深い悲しみをもって受け止めている。拉致された正確な人数はまだ把握できていない」とニジェール州政府のウスマン氏は述べ、同地区の治安悪化を受け、地方政府が予防措置として全寄宿学校の臨時閉鎖を命じたことを明らかにした。
カトリック・コンタゴラ教区は、バチカン通信社FIDESあてに出した声明で、「現地時間午前1時から3時の間に発生したと見られる襲撃で警備員1名が重傷を負った… コンタゴラ教区は今回の襲撃を強く非難するとともに、拉致された児童たちと家族の安全を深く憂慮している。治安機関に直ちに通報し、人質が安全に解放されるよう対応を始めた」と述べた。
ナイジェリアでは身代金目的の集団拉致が頻発している。アフリカで最も人口が多く、石油資源にも恵まれたこの国の中部・北西部では、当局が総称して「バンディット(山賊)」と呼ぶ犯罪組織による犯行が常態化している。また同国北部では約20年にわたりジハード主義者(暴力的な手段も用いてイスラム教社会の実現を目指す思想や運動を行う集団)による反乱が続いており、国連によればこれまでに4万人が死亡、200万人以上が避難民となっている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)