・「恐ろしい犯罪を恥じ、悲しむ」ペンシルベニア聖職者の児童性的虐待にバチカン声明

(2018.8.17 バチカン放送)

 カトリック聖職者による未成年者の性的虐待についての調査報告が米ペンシルベニア州大陪審から発表されたのを受け、教皇庁は17日、「この恐ろしい犯罪を恥じ、悲しみます」と謝罪する声明を出した。

 バチカンのグレッグ・バーク広報局長が出した声明では、まず、「ペンシルベニアで発表された文書を前に、この恐ろしい犯罪に対して言える言葉は二つ-恥と悲しみです」としたうえで、「教皇庁は、同州大陪審の長い調査活動と、それにより作成された報告書を、真摯に深く受け止め、未成年者に対する性的搾取をはっきり非難します」とバチカンとしての態度を明確にした。

 さらに、報告書で加害者の司祭の実名入りで示された性的虐待の数々について、「法的にも倫理的にも非難すべきもの」と断罪し、「こうした行為は被害者の聖職者に対する信頼を裏切り、彼らの尊厳と信仰を傷つけた」と強調。「教会は過去の厳しい経験から学ばなくてはならず、虐待を行った者も、それが起きる状況を容認した者も、その責任を負わねはなりません」と関係者に強く反省を求めるとともに、これ以上の再発を全世界の教会挙げて防ぐために、厳重な監督を強く促した。

 またバーク局長は会見で、このスキャンダルについての教皇フランシスコの意向について、「これらの犯罪が信者たちの信仰と精神を揺るがすものだ、ということを十分に理解しておられ、教会と社会のすべてが、未成年者と弱い立場にある成人に安全な環境を確保するために、あらゆる努力を惜しまないように、強く願っておられます」とし、教皇が彼らの側に立ち、被害に苦しんだ人々を最優先にしておられること、また、無実の人々の人生を破壊するこの悲惨なおぞましい出来事を撲滅するために教会は被害者に耳を傾けることを望んでおられることを挙げ、「被害者たちも理解してくれるように」と訴えた。

(「カトリック・あい」編集)

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2018年8月18日