インド南部の村でカトリックの礼拝堂が襲撃され、村民22人逮捕(CRUX)

 (2017.5.26 Crux寄稿者 ニルマラ・カヴァロ インド・ムンバイ発)20日、南インド・テランガナ州のゴドゥマクンタ村にあるカトリックの礼拝所が100人以上の村民に襲撃された。この礼拝所は一週間前のファティマの聖母出現100年祭で、ハイデラバード教区のバラ大司教がミサを捧げた場所で、大司教は「礼拝堂を破壊し、聖母像を壊した行為は、カトリック信者たちの宗教的感情を深く傷つけた」と非難、州当局に破壊された建物の修復と襲撃に加わった人々への厳正な措置を求めた。

 インドのキリスト教徒は約3000万人で、その半数がカトリック教徒だが、ヒンズーの国粋主義団体に扇動されたグループに、暴力行為を含め、あらゆる種類の脅迫や嫌がらせを受けている。今回の事件は、建物や像を破壊する前に、村民が地方の役人と面会した後に起こった。暴徒たちは「建物は不法に建てられたものだ」と破壊を正当化しているが、捜査当局は「土地の権利争いと関係があるのではないか」と見ている。

 テランガナ州では人口の85%がヒンズー教徒で、キリスト教徒は1%強。ヒンズーの国粋主義者たちは、キリスト教徒がしばしば自分たちよりカースト(身分制度)の低いヒンズー教徒に改宗するよう圧力をかけていると非難しているが、バラ大司教は「カトリック教会は、平和を愛する人々の共同体です。人々を無理やり改宗させようとすることは決してありません、と警察にも説明しています」と語り、「カトリック教会はカーストや信条に無関係のあらゆる社会組織に奉仕する平和を愛する教会なのです。私たちの健康・教育・福祉活動は、国民全体に奉仕する差別の全くない使徒的活動なのです」と訴えている。

 インドでは、2014年にヒンズー国粋主義のインド人民党(BJP)が政権をとったが、「それ以来、国の宗教に対する中立的立場が揺らいでいる」とキリスト教徒は懸念している。同国のカトリック司教協議会の議長、グラシアス枢機卿は、Cruxのインタビューに、「カトリック教会を誤解し、分断と懐疑心の種をまく心得違いの人々が、意図的に礼拝所を冒涜する行為に出たことは、残念です。社会の平和と調和、国民の一致のためにもなりません。インドはさまざまな宗教、さまざまな文化からなるモザイク国家なのです」と強調している。

(翻訳・「カトリック・あい」岡山庸子)

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2017年5月31日