シリア北部空爆で死者86人に―国連安保理はロシア反対で化学兵器使用非難決議の採決見送り
【2017.4.6 読売新聞 ニューヨーク=橋本潤也】国連安全保障理事会は5日午前(日本時間5日深夜)、シリアのアサド政権が北西部イドリブ県で空爆に化学兵器を使ったとみられる問題で公開の緊急会合を開いた。米英仏は化学兵器の使用に関する非難決議の採択を目指したが、アサド政権を支援するロシアが激しく反発し、この日の採決は見送られた。在英の民間団体「シリア人権監視団」によると、イドリブ県での死者は86人に増えた
米国のヘイリー大使は会合で、犠牲になった子供の写真を掲げ「目を背けることはできない」と述べ、各国に一致した行動を取るよう訴えた。化学兵器の使用はアサド政権によるものだと非難し、過去、シリア制裁決議案に拒否権を行使してきたロシアを「国連の制裁からアサド氏を守っている」と批判した。ヘイリー氏は、安保理として決議採択などで共同歩調が取れない場合、「独自の行動を取らざるを得ないことがある」と述べ、米国単独で軍事行動を取る可能性を示唆した。
ロシアのサフロンコフ次席大使は、攻撃が反体制派の「でっち上げ」である可能性を指摘。シリア政府の代表者も「化学兵器は使っていない」と主張した。
インターファクス通信によると、ロシアのガティロフ外務次官は5日、米英仏の非難決議案が採決されれば拒否権を行使すると警告。タス通信によるとロシアは5日、独自の決議案を国連安保理に提出した。ロシア国連代表部当局者はロシア案は「真相究明を目的にしたものだ」と説明した。
国連関係筋によると、米英仏3か国が作成した非難決議案は、化学兵器の使用を非難する内容で、シリア政府に対し、国連と化学兵器禁止機関(OPCW)に攻撃当日のヘリの航行記録など軍事行動の情報提供や詳細な調査に応じるよう求めている。米英仏は「緊急会合後も交渉は続いている」(英国のライクロフト大使)としており、ロシアとの調整が続く見通し。。