(2017.7.20 Inés San Martín Crux
国民投票では、同国の司教たちの大部分がマドゥーロ大統領の憲法改正提案に反対票を投じた。またソーシャルメディアを使って、反対票を投じるよう働きかけた。投票翌日の17日、パロリン国務長官は司教団に書簡を送り、「ベネズエラにとって平和で民主的な解決が図られるように、政府当局が自由、和解、平和、物的、霊的豊かさを求める国民の訴えに耳を貸すように、特に最も貧しく、最も不利な立場に置かれている人々のために祈りました」と激励した。
また、長官は書簡で、大統領支持派の武装集団が隣接地域を襲った後、ホルヘ・ウロサ・サビーノ枢機卿が、数百人の信徒と共に監禁されたことについても言及し、「監禁と暴力を強く非難する」と強調、枢機卿と被害に遭ったすべての人々への親愛を表明した。オートバイでやってきた武装集団は、まず、国民投票が行われている投票所で、投票のために並んでいる人々に向かって銃を発砲したあと、教会にいた枢機卿と信徒たちを監禁した。
現地からの情報は混乱しており、正確な状況は明らかでないが、ウロサ枢機卿がCruxにEメールで明らかにしたところによると、教会は投票所に使われていなかったが、教会の近くの通りに投票所が設置されていた。投票日の16日は、ベネズエラのカトリック教会恒例のカルメンの聖母の祝祭の日で、枢機卿はカラカス大司教として記念ミサを主宰していた。
国民投票は、数か月にわたる反政府抗議行動を受けて行われたが、騒動が始まった4月以来、100人前後の市民が犠牲になっている。バチカンはこれまで現政権に批判的立場をとるベネズエラ司教団を支持してきた。司教団は「国民と共にある」と言明し、反対派には加わっていないが、ベネズエラで長く続く政治・経済・社会危機を解決するために国民投票をすることを支持している。
国務長官からの書簡が司教団に送られた翌日の18日、大統領は改めて、ベネズエラのカトリック教会指導部を批判、全国向けのテレビ演説で、「我々は、世界の資本主義者や道理に反する者たちに奉仕する裏切り者の枢機卿たちのキリスト教徒ではない」と言明した。大統領はこれまでもしばしば司教団を悪者扱いしており、5月には、教皇フランシスコが自分と対話するように命じているのに、司教たちは「無視」している、と批判していた。
(翻訳「カトリック・アイ」南條俊二)
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