( 2017.9.14 | Tablet James Roberts)ミャンマーのヤンゴン大司教、チャールズ・メイン・ボー枢機卿が、同国の実質的な指導者であるアウンサン・スーチー女史に大使て、同国からの脱出を余儀なくされているロヒンギアのイスラム系住民の擁護を明言するよう強く求めるとともに、女史に汚名を着せる動きを強く批判した。
米誌「タイム」とのEメール・インタビューで、枢機卿は「ラカイン州(ロヒンギアの住民がバング
ラデシュに脱出している州)の人々は、ひどい困難に直面しています。」としたうえで、「国際社会は、スーチー女史のことを、彼女が軍事政権に対して民主化の戦いをしていた時と同じメガネで今の彼女を見ていますが、今や彼女は政府側の人間であり、政治指導者なのです。彼女には、はっきりと自分の意見を述べるべきです」と訴えた。
その一方で、枢機卿は、ミャンマーの民主政権はまだとても弱体で、スーチー女史がロヒンギアの悲惨な事態に何もしない、と国際的な批判の波を受けたままでは、何も問題を解決することはできない、と指摘し、「女史は、危険な政治の綱渡りをしています。すでに闇の力が軍事政権復帰を声高に叫び始めている」と警告した。
さらに、「スーチー女史に汚名を着せ、メディアを通して彼女を攻撃することは、現在の危機的事態の長期的な解決になりません。彼女を政権から追い出すようなことがあれば、民主政治の夢は潰えてしまう。私たちは、過去に3度にわたって民主政治が軍事政権によって潰された我が国の歴史を思い起こさねばならない」と訴えた。
軍隊による脅迫によって、ラカイン州からは、すでに30万人を超えるイスラム系住民が隣国バングラデシュに逃れている。だが、スーチー女史が2015年に民主政権を樹立した後も、軍部がなお政権の枢要ポスト、国防、内務、国境問題、などを掌握し続けている。
ボー枢機卿は、「国際社会は、現在、ミャンマーでイスラム系の人々の大虐殺や人種浄化などのようなことが起きている、とは考えないで欲しい。求められているのは、この地域で起きている緊張と怒りの連鎖を断ち切る努力なのです」とタイム誌に語った。
スーチー女史は、来週に予定していたニューヨークでの国連総会出席を取りやめた。危機をあおるような‶偽情報”と強く非難した。教皇フランシスコは11月にミャンマーとバングラデシュを訪問する予定だ。教皇は訪問予定を発表するのに先立って、「宗教的少数者、私たちのロヒンギアの兄弟姉妹」に対する迫害を終わらせ、彼らに正当な権利を与えるように、当事者たちに強く訴えている。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)
(Tabletはイギリスのイエズス会が発行する世界的権威のカトリック誌です。「カトリック・あい」は許可を得て翻訳、掲載しています。 “The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher” The Tablet ‘s website address http://www.thetablet.co.uk)
ロヒンギャの高齢者2人、ゾウに踏まれて死亡
バンコク=大重真弓)バングラデシュ警察は18日、同国南東部コックスバザールで同日、ミャンマーから避難してきたロヒンギャの高齢者2人が野生のゾウに踏みつけられ、死亡したと明らかにした。 AFP通信が報じた。
