(2017.5.25 Tablet Rose Gamble )フィリピン・ミンダナオ島のマラウイ市がイスラム国」と関係する武装集団に占拠され、司教座聖堂の焼き討ち、カトリック教徒14人の拉致、警察官の斬首など深刻な危機に追い込まれている。
25日付けのフィリピン・カトリック司教会議ニュース・サービスによると、同島のマーチン・ジュモード大司教は「政府は、市の平和と治安の回復のために強力な手を打つ必要がある」と語り、同市の市民に対して、武装集団への警戒を強めるとともに、政府軍と〝協力〟するように求めた。大司教はさらに、「市民たちが軍に協力しようとしなければ、事態はさらに紛糾することになる」とし、「人権が侵されない形をとるなら、私は、戒厳令の施行に賛成する」と言明した。
フィリピン軍のスポークスマンが24日明らかにしたところによると、マラウイ市内での戦闘で、武装集団の13人が死亡、政府軍側には5人の死者、31人の負傷者が出ている。他の政府関係者によれば、このほか、警察署長が斬首されたのを含めて警察官など3人が殺害されており、数千人の市民が同市から脱出を図っている、という。
このような事態に対して、ドトゥルテ大統領は同市を含むミンダナオ島全域に60日間の戒厳令を布告、24日のマニラでの記者会見で、イスラム過激派集団が国内に活動基盤を作ろうとするなら、戒厳令を全国に広げる用意がある、と述べた。1987年憲法では、大統領は、フィリピン全域を戒厳令下に置くことができる。議会はその無効にすることができ、戒厳令の期間は2か月に限られる。イスラム教徒の弁護士グループは戒厳令の無効を求める裁判を起こすことを計画している、とCNNフィリピンは報じている。
戒厳令は大統領が、軍による被疑者の逮捕、捜索、投獄などを速やかに行うことを可能にする。人権擁護グループは、麻薬撲滅を理由に裁判を経ずに何千もの容疑者を殺害している大統領が一段と過激な行動にでることを懸念している。フィリピン国民は、1986年に失脚した独裁者のマルコス大統領の下で14年間も戒厳令下に置かれ、政敵は投獄、拷問などに遭い、秘密警察による裁判外処刑は日常的に行わていた。このようなことがドトゥルテ大統領のもとで繰り返されることを恐れる人は多い。そして、ドトゥルテ大統領は23日に放送されたビデオメッセージで戒厳令に触れ、「マルコス大統領がやったことと違いはない。私は厳しくやる」と語っている。
(以上は、イギリスのイエズス会が発行する世界的に権威のあるカトリックニュース週刊誌TABLETの発行責任者の許可を得て、翻訳・掲載しています。TABLETのウエブサイトはhttp://www.thetablet.co.ukです。こちらもご覧下さい。)
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