(2017.7.18 Nirmala Carvalho
「対話と社会的調和のための共同行動」と題するこの会議に出席したジョン・ダヤル氏は「今、虐めや暴行に対して立ち上がる時です」と訴えた。インドは2014年以来、戦闘的な組織、民族義勇団(RSS)と強いつながりを持つヒンドゥー至上主義のインド人民党(BJP)が政権をとってきた。最近数か月は、さまざまなキリスト教宗派の人々が「改宗させようとした」と言う理由で逮捕、監禁されるなどの威圧行為が増加しており、直近では、牛の保護を名目にした自警団が関係した殺人事件が全国的に起きている。
インドのヒンドゥー教社会においてカースト外として差別されているイスラム教徒やキリスト教徒のような少数派宗教信徒は牛肉を食べているものの、牛はヒンドゥー教で神聖な動物とされており、屠殺はインドの大部分の地域で違法とされている。牛を守る自警団の集団が、牛を殺したとされる人々を襲っており、過去数年間にイスラム教徒を主体とした人々が何人も殺されている。
16日に開かれた会議には宗教各派の代表40人が出席。ダヤル氏は「会議にはヒンドゥー教徒、ジャイナ教徒、シーク教徒も参加している」と会議の意義を強調し、「我々は政府に、こうした行為を止める措置を取るよう求めることが重要だ」と語った。
会議が始まる数時間前にも、パンジャブ州の村の教会のスルタン・マシ師がオートバイに乗った二人組に銃で殺害されており、会議参加者は、国内に恐怖を蔓延させている不法黙認を辞めるように政府に強く要求、最近の動きは「世俗的人道主義を脅かすだけでなく、憲法と民主主義体制に対する脅威となっている」と警告し、「人を差別するイデオロギーが現実のものとなっており、政府、政党各派、市民社会運動家、刑事裁判制度、宗教団体が協力して対抗すること」など五項目からなる行動計画で合意した。
同じ16日の朝、首都ニューデリーでは、ナレンドラ・モディ首相が全党集会で演説し、法と秩序の維持は州政府の責任であり、地域の暴力行為の実行犯に対応せねばならない」と述べ、このような行為は国のイメージを汚すものだ、として撲滅に野党の協力を求めた。首相は各州政府に対して、とくに最近暴力行為が目立つ牛の保護を名目とした自警団に「厳しく対応」するよう求めた。
一方、16日付けの日刊紙 Tribune News Serviceによると、マシ師を殺害した犯人を裁判に立たせるよう当局に要求して、地方の幹線道路を数時間にわたって占拠した。師が殺害された村を教区にもつジャランダ教区のフランコ・マラッカル司教は「マシ師の殺害は、キリスト教共同体に対する攻撃です」とし、「教会の聖職者であることを十分に知った上での犯行であり、私たちキリスト教徒の地域共同体に不安と動揺をもたらしています。私たちには、殺害の動機となるものは全くありません」と訴えた。また、イスラム教、ヒンドゥー教、シーク教の指導者たちと個人的に連絡をとっており、「全員がマシ師殺害と強く非難しており、キリスト教共同体との強い連帯を表明してくれています」とこの事件に対する、宗派を超えた連帯を強調した。
宗教的少数派が主たる攻撃の対象となってはいるが、ヒンドゥー教徒も被害に遭っている。今月初め、彼らの聖地巡礼に行く途中の7人がイスラム武装集団とみられる暴徒に殺害された。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載します。