ドイツ連邦議会が同性婚の合法化を可決、9月の総選挙見据え(CJC)

 【2017.7.3 CJC】ドイツ連邦議会は6月30日、同性婚を合法化する法案を393対226の賛成多数で可決した。合法化によって、同性カップルは結婚に伴う権利を完全に認められ、子供を養子にすることもできる。

  採決には4人が棄権。アンゲラ・メルケル首相は26日、キリスト教民主同盟 (CDU)議員に党議拘束をしない方針を示したが、本人は採決の際、反対票を投じた。CDUと連立を組む社会民主党(SPD)は法案を強く支持していた。

  採決の後、首相は記者会見で、自分にとっては結婚とは男女の間のものだが、法案可決によって「社会が落ち着く」ことを期待すると述べた。

  ドイツでは現在、同性カップルは「市民婚」しか認められていない。今後は、「結婚は、異性もしくは同性の2人の人間が終生の前提で始めるもの」と定義することになる。

  メルケル首相は2013年総選挙の際、「子供の福祉」を理由に同性婚に反対し、自分としては「受け入れにくい」問題だと認めていた。

  しかし、26日に女性誌『ブリギッテ』主催のイベントに出席した首相は、他党が合法化を支持しているのを認識し、「全てのための婚姻(同性婚問題)は非常にデリケートな問題だ。各自の良心が問われるテーマだから、党も議員を縛ることなく、各自が判断すべきだ」と発言した。

  連立を組む社民党が前日、ドルトムントで開催した党大会で選挙公約をまとめ、中低所得者への減税などの税改革や失業手当の充実などのほか、同性婚の公認を挙げている。その直後に、首相が同性婚公認の方向を示唆した。

  週刊誌『シュピーゲル』(電子版)は首相の同性婚に関する発言を速報で流した。9月の総選挙で同性婚公認問題は大きな争点となるのを避けるため、と見たためと思われる。

  首相は、イベントの壇上で、地元の選挙区で養子8人と暮らすレズビアンのカップルと夕食を共にし、「人生観が変わる」経験をしたと話した。

  同性婚が合法化されると、同性カップルによる養子の受け入れなどが可能となり、結婚によって得られる権利が全面的に認められる。ドイツの同性カップルには現在、「シビル・ユニオン」(結婚に準じた権利を認める制度=市民婚)しか認められていない。

  欧州では、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク(フェロー諸島を除く)、フィンランド、アイスランド、オランダ、ベルギー、スペイン、ポルトガル、ルクセンブルク、フランス、英国(北アイルランドとジャージー島を除く)では、「市民婚」が法的に結婚として認められている。オーストリアとイタリアでは、これまでのドイツと同様、同性カップルには「市民婚」しか認められていない。□

このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年7月4日