カトリックの援助機関がシリア内外‶難民”援助訴えー日欧など97億ドル追加支援合意

 【2017.4.6 読売新聞ブリュッセル=横堀裕也】内戦が続くシリアを支援するため、国連や欧州連合(EU)などが共催する閣僚級会合が5日、ブリュッセルで開かれ、参加各国が2020年までに計約97億ドル(約1兆円)の追加支援を約束することを明記した共同宣言を発表し、閉幕した。

 会合には約70か国・機関が参加。日本からは薗浦健太郎外務副大臣が出席し、約2億6000万ドル(約280億円)の追加支援を表明した。追加支援はシリア国内の人道支援のほか、トルコやイラクなどシリア難民の受け入れ国の支援にも充てられる。

(2017.4.4 Tablet  Rose Gamble)閣僚級会合に先立って4日から開かれた国連主催の会議に、カトリックの六つの国際援助機関が合同報告書を提出、シリアから内戦前の人口の四分の一に相当する500万人以上の人々が周辺国に脱出しており、援助はこうした国々にも提供される必要がある、と訴えた。

 会議には、シリア北部で政府軍の化学兵器を使ったとみられる空爆で大量の死者が出ているとの報道がもたらされ、報告者のCAFOD、シリア・プログラム・マネージャーのアラン・トムリンソンは、こうした悲惨な紛争の終結をあらためて強く求め、「今回のようなひどい爆撃がさらに多くの死者を生み出し、国外へ脱出を余儀なくされる人々を生む。500万人以上のシリア難民が国外で安全を確保できるようにするのと合わせて、国内に留まることを決めて人々も私たちの緊急支援をもとめています」と訴えた。

 シリア難民の多くは、レバノンの農地、ヨルダンの偏狭な土地、トルコの粗末な家屋などに住み、働く場も教育も医療保健も満足に与えられておらず、合同報告書は、生計を立て、社会生活を送るための資金が不足しており、国際的な援助機関の支援を得て、隣接する国々がすべての難民に資金面で良好な援助をし、逮捕の恐れのないようにする必要がある、と訴えている。同時に、難民たちが、自分たちを受け入れる共同体社会に経済面で貢献することを認めるべきとし、「難民たちを法的保護の外に置き、教育を受ける機会を与えないような法的、政治的な障壁を取り除き、基本的な保健サービスを受けられるようにする必要がある」と強調している。

 EUによると、シリア国内で約1350万人が人道支援を必要としており、約500万人がトルコを中心とした隣接の国々に脱出している。国連は、シリア国内の人道支援に年間34億ユーロ、国外難民に47億ユーロの資金が必要としている。

(「カトリック・あい」 南條俊二訳)

(カトリック・アイでは、英国でイエズス会が発行している有力カトリック週刊誌Tabletから翻訳・掲載の許可を得ています。“The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher” and that you quote our website address http://www.thetablet.co.uk

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年4月6日