「生き残りたいなら、再構築が必要」民族対立激化でナイジェリア枢機卿訴え(Tablet)

(2017.6.23 Tablet  ローズ・ギャンブル) ビアフラ共和国の独立宣言が出されて6月で50周年を迎えるが、ナイジェリア南部で、改めて独立を求める動きが高まっている。これに対して、とくに、同国北部地域のイスラム教徒が反発しており、先週、北部の若者グループと呼ばれる集団が「南部地域出身のイボ族を北部地域から追い出す「持続的で連携した戦い」を呼び掛けを始めた。

 民族対立のこうした緊張の高まりに対し、同国のカトリックのリーダーであるジョン・オナイエカン枢機卿は「国の存続が必要なら、再構築が必要だ」として、この国の統治の仕方を変えることを求めた。

 51年前、ナイジェリア北部地域に住んでいたイボ族の人々が大量殺戮され、それを機に「ビアフラ」の分離独立が宣言されたが、1967年から70年にかけて、中央政府との戦いと飢きんで何百万人の死者を出し、独立は失敗した。(訳者注・迫害されるイボ族の助けを求める声に、かつてナイジェリアを植民地として支配しその後も影響力を持つイギリスを始め欧米諸国は無視を決め込み、助けの手を差し伸べなかった。)

 6月22日にアブジャで行われた記者会見で、オナイエカン枢機卿は語った。「怒りの原因がない場所は、ナイジェリアのどこにもない。どこにも。ある人々は他の人々よりも強い怒りを表に出しいるのかもしれない。だが、どこでも、人々は不満を持っているのです」のが現実であり、問題の根源は、この国の統治であり、特に、異なる民族の間の平等の確保と法制度に問題がある、と指摘した。

 さらに、「連邦制」の原則―国内の各民族や地域に平等に雇用が分配されることなど―が衰えているが、「連邦制は、国内のある地域が他の地域よりも優遇されることを意味することはできない」「連邦制が不正と差別をもたらしているなら、制度の意味がない。統治の方法を変えなければならない」と強調。「そのような道を取ろうとすれば、怒りと変化への要求が一層高まるだろう」と警告した。

 そのうえで、枢機卿はナイジェリア中央政府に対して、国民が感じている不満、排除、不正に早急に対処するよう求め、その対応はさらなる分離を創り出すようなものではなく、必要なのは、現在の政府がどのように機能しているのか、現在の制度の下で、ナイジェリア国民の一人一人が正義、尊厳をもって扱われることが可能なのか、を検証することだ、と述べた。「国が存続することを望むのなら、再構築が必要。現実の問題は、適切な組織化がされておらず、人々を不満にしていることだ。それは、この国で差別されているビアフラの人々だけではない。私たちの多くも含まれている」と語った。

 また、ビアフラ独立共和国を求める声に対する反動については、「父親が息子にすごい剣幕で起こっているようなものだ。家から追い出すようなことはしないだろう」と述べた。

 ナイジェリアのカトリック教会には他にも頭の痛い問題がある。教皇フランシスコは先週、同国のアヒアラ教区の司祭たちに‶最後通告〟を行った。同教区は、ナイジェリア南部地域、イモ州のカトリック信徒が多数を占める地域にあり、2012年に当時の教皇ベネディクト16世が教区長に任命したピーター・エベレ・オクパレケ司教を、北部地域の人物であり「地元の司祭から選ばれていない」として、受け入れを拒否し続けている。

 教皇の‶最後通告〟は、拒否に同調している司教たちに対して、30日以内に教皇に対して忠誠を誓うことを表明しオクパレケ司教を受け入れるよう求めており、返答を拒む司祭は職務を停止されることになる。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(Tabletはイギリスのイエズス会が発行する世界的権威のカトリック誌です。「カトリック・あい」は許可を得て翻訳、掲載しています。 “The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher” and that you quote our website address http://www.thetablet.co.uk)

 

 

 

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2017年7月3日