「カトリック教会に麻薬撲滅の強硬措置批判する権利無し」とドゥトルテ大統領(Tablet)

(2017.1.24 Tablet ローズ・ギャンブル)汚職・麻薬問題をめぐって、ドゥトルテ・フィリピン大統領とカトリック教会の対立が激化している。

 大統領は24日朝、2年前の大量虐殺事件で命を落とした44人の警察官の家族との集まりで演説し、「カトリック司教団全員が辞めれば、私も辞任する」と圧力をかけた。「私は司教団の全員に言う。明日、皆、全員で辞めよう。いいかね。辞任だ。私が先に辞める。辞表を出すから、彼らはそれまで辞任を待て」、そして「我々は同じ不名誉を受けている」と語った。

 演説で、大統領は参加者たちに、ジャーナリストのアリエス・ルフォがカトリック教会の腐敗と性的虐待を告発した本「秘密の祭壇」を読むよう勧め、「私はカトリック教会に戦いを挑む。お前たちは大馬鹿野郎だ。皆、悪臭と腐敗、全部のにおいがする」と怒りを振りまいた。

 ドゥトルテ大統領は、違法な麻薬取引の取り締まりに関連して大量殺人が行われていることにテオドロ・バカーニ司教が懸念を表明して以来、カトリック教会を公けに攻撃するようになっている。バカーニ司教は1月18日にマニラで開かれた会合で、「ドゥトルテの対麻薬戦争」について「死をもたらすもの」と述べていた、と地元のニュース・サイトが伝えていた。

 その翌日、マラカニアン宮殿でのスピーチで大統領はこれに反撃し、教会の腐敗を指摘し、子供たちに性犯罪をおかし、同性愛的と疑われる行為を大目に見、自分自身も仲間入りしている司祭がいる、と決めつけた。さらに、教会の高位聖職者には自分たちの罪を棚に上げて、麻薬取り締まりを批判する権利はない、と言明。「お前たちは私の恥をさらす。いいだろう。私もお前たちの恥をさらしてやる。自分たちが過ちを犯した時は許して、我々がそうする時は許さない?馬鹿な話だ」と批判し、「フィリピン人の中で、お前たちが道徳的に、何が優れているというのか。宗教か?その意味は何だ。お前たちは我々を助けない。話し続けるだけだ」と付け加えた。

 このような大統領の教会批判に対し、ラモン・アルゲレス大司教は1月20日のフィリピン・カトリック司教協議会でのインタビューで、同僚の司祭、司教を擁護し、「医師は自分が病気であっても、他の人の病気、そしてもちろん、彼(ドゥトルテ)の病気も治そうと努めなければならないのです」と語り、「教会人は完璧ではありません。それでも、自分が教えることに十分従えていない場合でさえも、何が正しく、適切なものかを訴えねばならないのです」と国民の理解を求め、「何人かの過ちで、全員を非難するべきではありません」と付け加えた。

 ドゥトルテの激しい教会非難は、彼の政権のジェズ・ドゥレザ上級顧問がバチカンで教皇フランシスコに謁見した後に始まっている。教皇はその顧問に、私はフィリピンの人々を祝福し、「あなたの大統領も祝福します」と語ったという。上級顧問は、2015年に教皇が自国を訪問してくれたことへの感謝を表明する大統領の書簡をバチカンに届けるのが目的だった。

 フィリピン国家警察のまとめによると、同国では2016年の1月初めから12月末までに大統領の麻薬撲滅戦争に関連して前年よりも51パーセント多い5927人が死亡している。ドゥトルテは大統領選挙に当たって、犯罪、とくに違法麻薬取引の絶滅を公約に掲げ、昨年6月に大統領に選ばれて間もなく、暴力的な撲滅戦争を開始している。

(写真は、フィリピンでの麻薬の違法取引絶滅の戦いの一環として昨年12月に開かれた「麻薬の無い世界」セミナーに参加した警察官たち)

“The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher” and that you quote our website address http://www.thetablet.co.uk

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2017年1月26日