・Cruxの教皇単独会見ー「性的少数者カトリック信徒」問題で受け入れ姿勢を引き継ぐ一方で、「男女の結婚に基ずく伝統的家庭観」堅持表明

 (2025.9.18  Crux  Senior Correspondent  Elise Ann Allen) 

  教皇レオ14世教皇は7月30日、バチカン市国サンタ・ウッフィツィオ宮殿の自室で、Crux 上級特派員 Elise Ann Allenとの独占インタビューに応じ、LGBTQ(性的少数者)のカトリック信徒への対応について、前任の教皇フランシスコと同様の姿勢―教義変更なしの受容姿勢―を貫くことを表明した。

 「私が伝えたいのは、フランシスコ教皇が『todos, todos, todos(すべての人々、すべての人々、すべての人々)』と明言した姿勢です。誰もが招かれるが、特定のアイデンティティの有無で招くのではない。神の子として招くのです」と教皇は語った。

 この発言は、Penguin Peruから18日に発売された『León XIV: ciudadano del mundo, misionero del siglo XXI,(レオ14世:世界の市民、21世紀の宣教師)』のための2回目でなされたもの。教皇は、「現在、LGBTQ+コミュニティとの具体的な関わりをもつ計画はありません」とし、「男性と女性の結婚に基づく伝統的家族観」を堅持しつつ、「包摂の重要性」を強調した。

 そして、性的指向への西洋の「執着」と呼ぶ現象を指摘し、フランシスコ教皇が一昨年と昨年の二回招集されたSinodality(共働性)に関する世界代表司教会議(シノドス)総会に参加した東方の枢機卿が「西洋世界は性的なものに固執し、執着している」と嘆いたことを明らかにしたうえで、「一部の人々にとって個人のアイデンティティは性的アイデンティティそのものだが、世界の他の地域では、相互の関わり方において、それは主要な問題ではない」と語った。

 この発言が「今も頭から離れない」とされ、「シノドスで明らかになったように、LGBTQ問題に関わるいかなる議題も教会内で分断を生む… 教会内で分断を助長したり、分断を継続させたりしないよう努めています」と述べる一方で、「誰もが招かれているが、特定のアイデンティティの有無で人を招くわけではない」という教皇フランシスコの姿勢を推進しようとしていることを明確にした。

 そして、「皆が皆歓迎される。互いを知り、互いを尊重しましょう。やがて他の具体的な問題も浮上し対処されます」と述べた。

 また教皇は、「多くの人々が、同性愛問題に関する教会の教義変更を望んでいる」と指摘しつつ、「教会が特定の課題について述べる内容を変更する前に、まず私たちの態度を変えなければなりません」としたうえで、「教会が教える性に関する教義、結婚に関する教義が(変わることは)まずありえない。少なくとも近い将来には、ありません」と語った。

 「フランシスコが教皇だった時と同様に」、「家族という価値」について語り続ける意向を示し、それは「男性と女性が厳粛な誓約を交わし、結婚の秘跡によって祝福されることです」と述べ、「そのように言うことさえ、一部の人々は不快に思うであろうことは理解しています」としつつ、北欧の教会組織が既に「互いを愛する人々」への儀式的な祝福を組織し、同性婚を支持する手段としていることを批判。

 「こうした行動は、教皇フランシスコが承認された文書『フィドゥシア・スプリカンズ』に反します… この文書は基本的に、全ての人を祝福できるが、祝福を儀式化する方法を探すべきではない。なぜならそれは教会の教えではないからです」と述べ、「それは彼らが悪い人間だ、という意味ではありません。しかし、自分と異なる他者を受け入れる方法、人生で選択をした人々を受け入れ尊重する方法を理解することは、極めて重要です」と語った。

 続けて教皇は、「LGBTQ+の問題が、同性結婚の正式な承認やトランスジェンダーの承認を求める声とともに、ホットな話題になっていること」を認め、「個人は受け入れられるでしょう」と述べ、定期的に告解を聴く司祭たちは、「あらゆる種類の人々」から、「あらゆる種類の生活状況や選択」について話を聞き、判断を下すことはない、としつつ、「当面は、教会の教えは現状維持です」と付け加えた。

 LGBTQ+ 問題に関する質問への答えの中で、教皇は、教会の教えを変えることなく、歓迎と尊重の姿勢を主張したほか、「彼らが伝統的な家族と呼ぶもの」を支援しなければならない、と述べた。

 「家族とは、父親、母親、そして子供たちです。ここ数十年間、時には苦しみを味わってきた社会における家族の役割は、再び認識され、強化されなければならないと思います」と述べ、「現代社会を二分する二極化は、多くの人が貧しい家庭環境で育ったことが一因ではないか」と疑問を投げかけた。

 そして、「家族は個人が互いを愛し尊重する方法を学び、異なる考えを持つ者と共に生き寛容になる方法を学ぶ最初の場であり、同時に交わりの絆を形成する場所なのです。それが家族です。この基礎的な構成要素を取り除けば、他の方法でそれを学ぶことは非常に困難になるでしょう」と述べ、「父と母との素晴らしい関係があったからこそ、今の自分があると強く信じています」と強調。

 「両親は40年以上にわたり非常に幸せな結婚生活を送っていました。今でも皆でこのことを話題にします。兄弟たちとの間でもそうです。私たちは今も非常に親密です。たとえ政治的立場が極端に離れていても、異なる場所にいてもです」とした教皇は、成長期に経験した強固で健全な家庭生活が「現在の私の在り方、そして今こうして自分らしくいられることそのものにとって、極めて重要な要素になっています」と述べた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2025年9月19日