ムンバイ 発–殺人の冤罪を長く着せられ、昨秋に無罪が確定した袴田巌氏に教皇フランシスコが祝福したロザリオが贈られ、22日、袴田氏に面会した菊地・東京大司教から手渡された。
袴田氏は、1966年に大豆ペーストメーカーの上司とその妻と2人の子供を殺害した大量殺人で有罪判決を受け、1968年3月に死刑判決を受けた。当初から無実を主張し、最初の自白は強要されたものであり、その事件は仕組まれた証拠に基づいていると主張。死刑囚監房で48年間過ごした後、新たなDNA鑑定により2014年に釈放された。10年後の再審で、警察が最初の有罪判決の時点で彼に不利な証拠を捏造していたことが判明し、袴田氏を無罪としたが、検察が控訴を拒否したことで、この判決は決定的なものとなった。
菊地大司教は「袴田さんは、半世紀にわたる長期監禁と日常的な処刑の恐怖から、心理的に悪影響を受けています」と長期の収監中に受けていたストレスを強調。日本の司法制度では、法務大臣はいつでも死刑執行命令に署名することができ、死刑執行の朝になって本人に伝えられることになっており、いつ「その日」が来るか、怯え続けねばならない。
大司教は、昨年10月の世界代表司教会議の総会に出席した機会に、教皇に袴田氏の無罪確定を伝え、教皇は彼の苦しみに対する同情と祝福の手紙とともに、祝福されたロザリオを、バチカンのパロリン国務長官経由で日本に送られていた。そして22日、菊地大司教が直接、本人に持参した。
大司教は「私は個人的に、袴田さんと、妹の秀子さんが正義を貫いたこと尊敬しています。そして、無実が証明され、正義が行われたことを神に心から感謝します… しかし、袴田さんは多くのものを失いました。現在88歳の彼が失ったもの、彼の人生のほぼ50年分は非常に大きい。私たちは、正義が行われることを引き続き呼びかけ、国の公的な司法制度に関与する人々に対して聖霊の導きを願います。そうすれば、彼らは人々の利益のために適切な正義を行うることができる」と語り、また、「私たちは死刑の廃止を求め続け、拘留されている人々への支援を続けていきます… すべての生命は神の創造物であり、尊厳を持った神からの貴重な贈り物。最初から最後まで例外なく守られねばなりません」と述べた。