(2025.11.30 Vatican News Bianca Fraccalvieri – Beirut)
教皇レオ14世―アラビア語で「ババ・リユウ」と呼ばれる―が30日午後、レバノンの首都ベイルートに到着され、温かい歓迎を受けられた。
空港での歓迎式典に続いて、教皇は、マロン派キリスト教徒のジョゼフ・アウン大統領への表敬訪問、国会のナビー・ベリー議長との会談、ナワフ・サラム首相との会見などを予定されており、これらを通して、レバノンの宗派制度を支える三つの柱、すなわちマロン派、シーア派、スンニ派の代表者と面会することになる。初日の最後は、当局者、市民社会、外交団との会合で、教皇はこの場で、レバノンでの最初の演説をなさる。
ベイルートは、シリアの首都ダマスカスから約100キロ、イスラエル北部からも同程度の距離に位置し、そうした地理的条件自体が、教皇のレバノン訪問重要性を物語っている。トルコ訪問ではエキュメニズムと宗教間対話が焦点だったが、レバノンでは「平和をつくる者は幸いである」という訪問のモットーに表れるように、平和が中心テーマだ。
レバノンは現代史上最悪の経済危機に直面している。インフレと自国通貨の急激な価値下落が進行中だ。生活の基本サービスが欠如している。頻繁な停電、医薬品や燃料の不足が常態化している。これに構造的な腐敗が加わり、さらにシリア人やパレスチナ人を含む約200万人の難民(人口の約3分の1)が国内に存在し、社会的な緊張を高めている。
こうした国家の機能不全の中で、宗教組織、特にカトリック教会関連の組織が、住民支援で重要な役割を担っている。
教皇の訪問を受け入れるマロン派総主教ベシャラ・ブトロス・ライ枢機卿は、Vatican Newsのインタビューで次のように語っている。
「教皇は、手ぶらで来るわけではありません。精神的・道徳的な贈り物を満載して来られます。これは私にとって、レバノン人一人ひとりへの個人的な呼びかけだ。変化への呼びかけ、過去のページを閉じ新たなページを開くこと、平和と希望のページを開くことへの呼びかけです。何事もなかったかのように生きることはできません。『教皇が来られ、式典が行われ、歓迎を受け、去って、全てが元通りになる』のではない。レバノン人が少し考え、この訪問の価値を認識することを願います。なぜなら聖父は、レバノンが非常に、非常に重大な局面を迎えていることをご存じだからです」。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)