(2025.11.28 Vatican News Devin Watkins)
教皇レオ14世は28日午後、トルコのイズニク(古代ニカイア)で、様々なキリスト教教会の指導者27人と共に祈りを捧げ、教会史上初となった公会議であるニカイアの会議開催1700周年を祝われ、世界の全てのキリスト教徒に対して、「兄弟的な出会い、対話、協力の道」を歩むよう呼びかけられた。
教皇は挨拶の中で、コンスタンティノープル総主教バルトロマイ一世に対して、この重要な記念日を教会指導者と共に祝うよう呼びかけた「偉大な知恵と先見性」を感謝され、この行事に参加した各教会の首長やキリスト教世界共同体の代表者たちにも謝意を示された。
そのうえで教皇は、ニカイア公会議が325年に開催されたことを取り上げ、「この会議は、今日においても、全てのキリスト教徒が『イエス・キリストが自分にとって何者であるか』を自問するよう促すもの。特にキリスト教徒にとって重要です」とされ、「イエス・キリストを”カリスマ的指導者”や”超人”へと矮小化する危険性があるからです。それは誤った解釈であり、結局は、悲しみと混乱をもたらします」と注意された。
さらに、「この公会議は、アレクサンドリアの司祭アリウスが『イエスは、神と人間の間の仲介者に過ぎず、完全な神性を持たず、受肉の現実を無視している』と主張したことへの対応として開かれました。もし神が人となられなかったら、どうして死すべき存在が神の不死の命にあずかることができるでしょうか」と参加者に問いかけ、「ニカイアで争点となったこと、そして今日でも争点となっているのは、イエス・キリストにおいて私たちと同じ姿となり、私たちを『神の性質の共有者』とするために来られた神への信仰なのです」と指摘。
「ニカイア公会議は、現在『ニカイア信条』と呼ばれるキリスト論的告白で合意しました… これは今も、全てのキリスト教教会と共同体によって告白されています。この『信仰の象徴』は、キリスト教徒が完全な交わりへと歩む旅において、根本的に重要です」と強調された。
そして、「『唯一の主イエス・キリスト… すべてに先立って父より生まれ… 父と一体の神の一人子』(ニカイア信条)への信仰は、すでに全てのキリスト教徒を結びつける深い絆です」と言明され、全てのキリスト教徒に対し、「この結束の絆を受け入れ、聖霊の導きのもと、相互の愛と対話の中で、イエス・キリストに啓示された神の言葉への忠実さに向けて、より深く歩みを進めるように」と促された。
続けて教皇は、「分裂を克服し、互いに和解することで、キリスト教徒はイエス・キリストと、すべての人への希望の宣言に対して、より信頼できる証しを立てることができるのです… 暴力と紛争に満ちた現代世界において、キリスト教徒の結束が極めて必要です」と強調。だと続けた。
「イエス・キリストを信じる者同士の完全な交わりを求める願いは、常に全人類の兄弟愛を求める探求と共にあります… 民族・国籍・宗教・個人の見解に関わらず、全ての人々の権利と尊厳を認めるように」と訴えられた。
また教皇は「宗教が真理に奉仕し、対話と尊重を求める個人を励ます役割」を支持され、「戦争や暴力、あらゆる形態の原理主義や狂信を正当化するために宗教を利用することを、強く拒絶しなければなりません。私たちの歩むべき道は、兄弟愛に基づく出会い、対話、協力の道です」と重ねて強調された。
*キリスト教東西分裂の主因となった「Filioque(フィリオクエ)」を省いたニカイア信条を唱和
最後に教皇は、ニカイア公会議1700周年記念が「和解と一致と平和の豊かな実り」をもたらすよう、父なる神に祈りを捧げられ、祈りの集いが終わる際、キリスト教諸教会の指導者たちは「Filioque(フィリオクエ)」*を省略したニカイア・コンスタンティノポリス信条を共に唱和した。
*「カトリック・あい」注:「Filioque(フィリオクエ)」はラテン語で、「また子からも」を意味し、ローマ教会の信条では「…聖霊は、父と子から出て…」となっている。これは、ニカイア・コンスタンティノポリス信条(381年)に、中世になってローマ教会が追加したもの。東方教会側は、「公会議で決定したことを勝手に変更するもの、聖霊は父なる神からのみ発出する」と主張して反発、その後東西教会間で長年にわたる争点となり、1054年のキリスト教会の東西分裂(大シスマ)の主因となった。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)