
(2024.9.8 Vatican News Renato Martinez)
パプアニューギニア訪問最終日の9日午前、教皇フランシスコは首都ポートモレスビーのサー・ジョン・ギーズ・スタジアムで若者たちとの出会いを持たれ、「愛と奉仕の言語」を実践するよう促された。
教皇は、準備していたスピーチ原稿を脇に置き、スタジアムに集まった推定1万人の若者たちと対話をなさった。
冒頭、教皇は「パプアの皆さんは800以上の言語を話しますが、共通言語を共有しています。それは愛と奉仕です」と強調された。
伝統衣装を着た若者たちのカラフルな歓迎ダンスに続いて、キンベ教区のジョン・ボスコ・オーラム司教が教皇に挨拶し、「家族や社会の中でキリスト教の価値観を生きること」「成長と発展の機会が限られていること」「社会、政府、さらには教会からの期待が満たされないこと」などから生じるフラストレーションなど、パプアニューギニアの若者が直面している大きな課題を指摘した。
その後、数人の若者が壇上に上がり、教皇に語りかけた。
一番目は、カトリック専門家協会のメンバーであるパトリシア・ハリクネン・コルポック氏で、「娯楽産業、ソーシャル メディア、テクノロジーの影響を強く受けた社会の中で、カトリックの信仰と道徳を証しすることの難しさ」について述べた。
次にライアン・ヴルム氏が、「家庭崩壊で幼少期に辛い経験をしたが、教会が自分の避難所になった」としたうえで、パプアニューギニアの多くの若者が同じ問題に苦しんでおり、両親が別居、あるいは不在の中での、コミュニケーションの難しさ、を説明。「このようなことが、薬物乱用、違法行為、そして希望の喪失につながることが多い」と語った。
最後に発言したのは、 Legion of Maryの会員のメンバーであるベルナデット・トゥルモニ氏で、「家族による虐待が若者に与える壊滅的な影響」を取り上げ、「被害者は『自分は愛されていない』と感じ、『大切にされていない』と感じ、それが自殺や家族を見捨てることにつながる可能性があります」と指摘。また、豊かな天然資源にもかかわらず、貧困問題を抱える、この国の現状にも言及し、そうした中で、「多くの若者が学校を中退し、麻薬取引、窃盗、物乞いに手を染めています」と訴えた。
彼らの話を聴いた教皇は、まず、「海、山、熱帯林の国、パプアニューギニアで時間を過ごせたこと」の喜びを表明。「パプアは若者でいっぱいの若い国であり、希望の笑顔で未来に立ち向かうよう求められています。皆さんの喜びと、海と空が出会う場所、夢が生まれ、課題が生まれる場所、パプアの美しさを共有してくれたことに感謝します」と述べた。そのうえで、「皆さんは、若者は未来の希望。その皆さんと会わずに、この国を去ることはできない」と強調したうえで、聖書に書かれたバベルの塔の物語を教訓として示され、「混乱と分裂につながる生き方と、神や仲間の人間との出会いを通して調和を育む生き方の二つ」のうち、後者を選び、その実践に努めるよう、励まされた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)