
(2024.9.12 Vatican News Christopher Wells)
シンガポール訪問中の教皇フランシスコは12日夕、国立競技場で司教、司祭、信徒など約5万人と共にミサを捧げられ、説教で「愛こそが私たちの存在と行動のすべてに根ざしていること」を強調された。
説教で教皇は、聖パウロの「知識は誇りで膨らむが、愛は築き上げる」という言葉を思い起こされ、「(このシンガポールのような素晴らしい都市のように)人々が成し遂げる偉大な作品の根底にあるのは、お金、技術、あるいは工学的能力ではなく、愛なのです」と指摘。
そして、このような発言をナイーブだと思う人もいるであろうことを認めつつ、「少し考えれば、偉大な作品は創造性と天才に触発されてはいるものの、愛に動かされた無数の”脆弱な男女”に依存していることが分かるでしょう… それがなければ、愛も、推進力も、行動する理由も、築く力もありません」と語られた。
続けて教皇は、「この確信は、『私たちの共通の父である神が、私たちの愛し、愛される能力の根源にある』ことを教えてくれる信仰によって、確認され、啓発されます」とされ、「神は、私たち一人ひとりを自由に、そして愛から創造され、神の愛こそが、私たちを贖い、神の唯一の息子の死と復活を通して、罪と死から解放してくるのです」と説かれた。
また、前任の教皇である聖ヨハネ・パウロ2世の言葉を引用する形で、「私たち自身の愛の中に、神の愛の反映を見ることができる… それは、人種、信仰、あるいは自分たちとの違いに関わらず、すべての人々に対する深い尊敬を特徴とする愛です」と述べられた。「これは私たちにとって大切な言葉です。なぜなら、人間の行いに対して感じる驚きを超えて、大きな賞賛と尊敬の念をもって受け入れるべき、さらに大きな驚きがあることを、思い出させてくれるからです。その驚きとは、私たちが毎日出会う兄弟姉妹たちなのです」と強調。
さらに、「神の愛は、他者と分かち合うこと、貧しい人々の必要に寛大に応えること、苦しむ人々を励ますこと、そして常に赦しと希望を持つことを、私たちに促すもの」とされ、再び聖ヨハネ・パウロの言葉を引用して、「愛は福音の中心です」と語られた。
そして、その愛を体現する聖母マリアとフランシスコ・ザビエルという二人の聖人の模範を取り上げ、次のように説教を締めくくられた。
「今日12日、聖母マリアの最も聖なる御名の祝日に当たって、私たちは父の愛が最も美しく豊かな形で表れているのを見ます。それは、私たちを決して見捨てない母親の優しさです。そして、宣教の旅で、シンガポールでしばしば歓迎された聖フランシスコ・ザビエルに、私たちは『学問よりも慈愛が優先することを認識した聖人』を見ます。お二人の模範に倣い、聖フランシスコ・ザビエルの主への呼びかけ―『主よ、私はここにおります。私に何をすることをお望みですか』を心に留めるようにしましょう。それは、神の無限の愛から今日も私たちに届き続ける『愛と正義を生きること』への招きに耳を傾け、喜んで応じる不断の決意をされた、このお二人が、今日だけでなく、いつも私たちと共にいてくれるようにするためです」。
*「カトリック・あい」注:「聖母マリアの最も聖なる御名の祝日」は、9月12日にカトリック教会の典礼歴で祝われる記念日。教皇イノケンティウス11世が1683年のウィーンの戦いでの勝利を記念してローマの典礼歴に含めた。第二バチカン公会議の典礼改革で典礼歴から削除されたが、2002年に教皇ヨハネ・パウロ2世によって復活された。