・シノドス総会第2会期・10月22日定例会見:最終文書草案への提案、修正の検討が行われ、若者と女性の役割が焦点に

(2024.10.22  Vatican News   Lorena Leonardi and Edoardo Giribaldi)

     世界代表司教会議(シノドス)総会第2会期は大詰めを迎え、21日に参加者全員に配布された草案をもとに最終文書の内容について検討が進められ、教会における若者と女性の役割に関してどのように言及するかが主要テーマとなり、それらを含めて修正の提案がされた。また、ウクライナ、中東などで多くの人が戦争に苦しめられている現状を直視し、戦争に明確な「ノー」を表明することが提起されている。

 シノドス情報委員会のルッフィーニ委員長が22日午後の定例会見で説明したもの、また、この日の会見にはゲストとして、コンゴ民主共和国キンシャサ大司教のフリドリン・アンボンゴ・ベスング枢機卿、カメルーンのベマンダ教区のアンドリュー・ンケア・フアニャ大司教、ドイツ・エッセン教区のフランツ・ヨーゼフ・オーバーベック司教、マレーシア・カトリック研究センター所長のクラレンス・ダヴェダサン神父が出席した。

 会見ではまず、ルッフィーニ委員長から、21日午後からこれまでの総会での討議状況などについて説明があり、「22日の午前の会合で特別責任者のジャコモ・コスタ神父が新しい作業段階の手順を詳しく説明した。22日午後と23日朝の数時間は、小グループによる最終文書原案の策定に充てられる」と述べた。

 そして、原案の修正は総会参加者または総会参加者のグループが提案でき、その修正案は総会における投票権を持つメンバーの投票に付されるが、採択されるためには絶対多数の支持を得る必要がある」とし、グループによる修正の提案は23日午前中を期限とすること、総会の各メンバーはシノドス事務局に個別の提案を送ることもできるが、修正案は当然、提案よりも重視されること、などが説明された。

​​ また、委員長は、「最終文書の草案は公用語であるイタリア語で書かれたが、非公式の形で可能な限り多くの言語に翻訳された。これはすべて、さまざまな会員の識別を容易にするために行われた」と指摘し、翻訳された言語の中にはウクライナ語と中国語があり、総会に出席した2人の中国人司教が「大いに感謝した」と述べた。

 

 

*総会参加者の若者が「私たちを置き去りにしないで、あなたがたと共に歩みたい」と訴え

 また情報委員会のピレス事務局長によると、22日の全体会議には343人が出席し、教皇フランシスコも同席された。21日の最終文書草案の発表に続く、小グループに分かれての討議では、特に22日午前の自由発言はすべて草案文書に集中し、そのバランス、深さ、密度が高く評価する意見が出る一方、修正や追加についての提案もなされた。

 事務局長は「これまでに取り上げられたシノダリティ(共働性)に関するさまざまなトピックについて40件の発言があり、その中で総会の最年少参加者からの『若者を置き去りにせず、共に歩んでください。私たちはあなたがたと共に歩みたい』という訴えがあった」と説明。また、「教会における女性の役割についても発言があり、女性の果たす役割の基本的な重要性が再確認された。信徒、司教協議会、司祭、奉献生活、小規模なキリスト教共同体の役割についても取り上げられた」と報告した。

 

*「戦争に『ノー』を繰り返すべき」との主張も

 さらに、進行中の世界のニュースがシノドス総会の会場に届き、「教会は戦争に対して、強く明確な『ノー』を繰り返すべきだ、との主張もあった。『私たちはこれらの紛争の終結を求め、懇願し続けなければならない。さもなければ、この文書を読むことができる人間はもう誰も生きていないだろう』と強く訴えがされた」と述べた。

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*コンゴのベスング枢機卿「総会は、教会の新たなあり方を共に構想する方法を考える機会になった」

続いてゲストによる意見表明があり、まず、ベスング枢機卿から、「私たちは特定の問題を解決するために集まったのではなく、教会の新たな在り方を構想するために集まったのです」とし、「今総会は、自らが設定した目的から逸脱せず、基礎を築きました。そこから出発して、各自を自分の家に戻し、普遍教会と同様に、このシノダリティ(共働性)の精神をあらゆる問題に適用しなければなりません」と強調した。

 そして、「我が国は依然として宣教の地とみなされており、私たちの教会も最近まで宣教の地でした。そして社会文化的状況の現実に適応しなければなりません、総会への招きは、決断の機会、恵みの瞬間であり、教会の新しいあり方を共に構想する方法を考える機会となりました」と述べ、「アフリカの教会は、アフリカの兄弟姉妹とともに、この新しいダイナミクス、つまりカトリック教会の変革に取り組もうとします」と語った。

*カメルーンのフアニャ大司教「アフリカはシノダリティ(共働性)の肥沃な大地」

 カメルーンのフアニャ大司教は、草の根共同体やカテキスタをはじめとするアフリカのシノダリティ(共働性)への貢献についてコメントした。「シノダリティ(共働性)は、私たち全員にとって終末論的な兆候。総会には、世界のさまざまな地域からさまざまな考えを持ってやって来た」と述べ、シノドス総会の参加者が、シノダリティ(共働性)を受動的に受け入れた人々としてだけでなく、積極的な”大使”として故郷に帰ることを希望している…シノダリティ(共働性)は『本当に未来だ』と私は信じている」と述べた。

 また、「教会が”満員”のアフリカの状況では、問題はどうやって、それを維持するかです… 私たちはシノダリティ(共働性)を通してそれを実現します」と語り、カテキスタ、特にカテキスタ全体の約半数を占める女性が果たす基本的な役割を強調した。そして、「アフリカはシノダリティ(共働性)にとって特別な場所。小さな共同体でも問題を解決し、平和を実現できるほど(の力がある)」と語った。

 

 

 

*ドイツのオーバーベック司教「ポスト世俗化の時代にカトリック教会を『再文化』化する必要」

 ドイツの”ポスト世俗化”の状況について、オーバーベック司教は、カトリック教会を「再文」化化する必要性を強調した。

 司教は、「ドイツの人々は長い間、カトリックかプロテスタントかどちらかでしたが、今では約8400万人の国民のうちの半数が、信仰も宗教もなく、神が誰なのかも知りません。残りの半数はカトリックとプロテスタントがほぼ半々で、400万人以上のイスラム教徒がいる」としたうえで、「新しい小さな共同体は機能しているが、『新たな福音宣教』と『教会における女性の役割に関する新たな答え』を出すことが求められています」と強調。

 さらに「教会が、一方では構造と、他方では新しい精神性の間で緊張関係にある”ポスト世俗化”の中で、シノダリティ(共働性)は、私たちが何年も前から歩んできた道」とし、「ドイツでは、(聖職者による性的)虐待スキャンダルが深刻な問題として表面化したのを受けて、シノダリティ(共働性)による具体的な対応策が開発されています」と説明した。

 

 

 

*マレーシア・カトリック研究センターのダヴェダサン所長「信仰を表現する場がますます狭くなっている、対話による調和を求めねば」

 

 マレーシアのカトリック研究センターの所長、ダヴェダサン神父は、教会内で、そして教会外の他者と共にしたシノダリティ(共働性)の生きた経験について語った。

 「フィリピンと東ティモールなどを除けば、アジアはカトリック教徒が少数派の大陸です。信仰は非常に生き生きとしていますが、それは、世俗化やその他の問題が存在しないことを意味するものではありません」と述べた。

 そして、「多くの地域で、信仰を表現する場が、政治的、宗教的過激主義のせいだけでなく、ますます狭くなっているようです。そうだからこそ、対話を進めることで調和を求めなければなりません… 対話は『選択肢』ではなく、生き残るためにとらねばならない。目新しいものではなく、必要不可欠なものであり、多元主義文化の中で私たちが日々経験している一部です」と強調。

 さらに、「シノダリティ(共働性)は、すべての基盤であり、あらゆる場所で実践されています。そして家族の絆は強まり、それは実を結び続けています」としたうえで、「アジアにおける課題は、『他者と共に生きる』という観点から神学を学ぶことと、『信仰を公けに表現できない場所』で福音宣教することを、学ぶことです」と語った。

 また神父は、多くのアジア人が世界の他の地域に住むようになった”移住現象”について言及し、「彼らは新しい”宣教師”です。なぜなら、彼らは移住するときに、収入を得ることだけを目的とせず、信仰も一緒に持っていく。そして、世界の多くの場所で彼らが教会を活気づけ、信仰を生かし続けることに貢献しています」と述べた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

Asia, a living faith in dialogue

Father Clarence Sandanaraj Davedassan, director of the Catholic Research Centre in Kuala Lumpur, Malaysia, spoke about the experience of living synodality ad intra, within the Church; and ad extra, with others.

Apart from the Philippines and Timor Leste, he explained, Asia is a continent where Catholics are a minority.

While the faith is very much alive, he said, “this does not mean that secularisation and other problems are not present.”

If, he continued, “the public space for the expression of faith seems to be getting smaller and smaller” in many places, not least due to political and religious extremism, in such a context “one must seek harmony by engaging in dialogue.”

In such context, he insisted, dialogue “is not an option” but rather “a matter of survival. It is not a novelty but a necessity and is part of the experience we live daily within a pluralist culture.”

Synodality, he continued, is “at the foundation of all this” and is being lived everywhere, starting with the family, and it continues to bear fruit.

Thus, he said, the challenge in Asia involves learning to do theology “from the perspective of living with others” and learning to evangelise “where faith cannot be expressed in a public way.”

Finally, Fr Davedassan spoke about the phenomenon of migration, which has led many Asians to live in other parts of the world: “They are the new missionaries, because when they leave they are not just looking for an income but they take their faith with them.” he concluded, “And I know that in many places in the world they animate the Churches, contributing to keeping the faith alive.”

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2024年10月23日